とある小学校で、何故かクラスの皆から「死神」と呼ばれている西村さん。そんなクラスの事情を知らない転校生の高田くんは「『死神』だなんて……なんてかっこいいあだななんだ!」と感動して、西村さんに急接近。高田くんの愚直なグイグイぶりに、引っ込み思案な西村さんもいつしか心を開いていって――。人気コミックを原作としたTVアニメ『事情を知らない転校生がグイグイくる。』が、いよいよ4月より放送スタート。西村さん役を演じる小原好美さん、そして高田くん役を演じる石上静香さんに、ピュア過ぎる二人や作品の魅力についてたっぷり語ってもらいました。▲(左より)高田くん役を演じる石上静香さん、西村さん役を演じる小原好美さん。
――まず、原作を読んだ印象からお聞かせ下さい。小原 オーディションの際に手に取ったんですが、表紙のイラストからして優しい雰囲気がありつつ「さて、どれだけグイグイ来るんだろう?」と気になりました(笑)。実際読んでみると、西村さんは教室で孤立していて所謂ほのぼの系とは少し違った感じになっていて、でもあまり暗くなり過ぎないところもバランスがとれていて。いろんな時、いろんな方に楽しんでもらえる可愛い作品だな、と思います。
石上 私はオーディション前から作品を知っていました。川村(拓)先生のTwitterに掲載されていたものを読んで「面白い!」と思って、電子書籍で読んでいたんです。なので、オーディションの話を聞いた時には「やっぱりアニメになるよね」と思ってました(笑)。
絵柄がとても可愛いですし、高田くんの思った以上のグイグイぶりが単純に楽しいだけじゃなくて、徐々に西村さんの周辺を変えていくストーリーにグッときました。
――では、それぞれのキャラクターを演じるに当たって、何かポイントとした部分はありましたでしょうか。小原 実は私、別キャラでオーディションを受けていまして……合格の連絡を受けた時に「受けた役はダメだったんですが、ヒロインになりました」と。
石上 そういうの、なかなか聞かないよね(笑)。
小原 「え? お相手は石上さん? ハイ?」みたいな感じで(笑)。で、嬉しい気持ちを抱えつつ改めて原作を読みこんで、西村さんと向き合ったんですね。最初は周りの反応もあって暗い子なのかなと思ったんですけれど、案外本人は慣れていて意外に平然としているのかな、と。
なので、そういう暗い要素を扱う場合、高田くんとの掛け合いでどう対応していくのかを、最初のアフレコ時にすり合わせていきました。監督からは「暗さを意識しなくても大丈夫、等身大の純粋な女の子を演じて下さい」とアドバイスを戴いたので、自分なりの「素直な子」を演じてみました。
石上 元々原作を読み込んでいたこともあるので高田くんがどういう子か分かっていましたし、こういうのも何なんですが……高田くんの声帯は私にピッタリだ、って思えたんですよ(笑)。だから「この役が取れなかったら本当に悔しい」と思いながらオーディションに臨みました。
おそらく多くのオーディションテープが届くわけですから、これはおそらく「グイグイ度合い」で決まる! 自分でも「ちょっとやり過ぎ?」と思うくらいのとびぬけたグイグイをやれば勝てる! と思ったんです(一同笑)。それで合格を戴いたんですが、作中の演技では(オーディション時よりは)ちょっと抑えてます(笑)。
小原 (驚きながら)え、あれで!? 既にそのレベルのグイグイをこちらは感じているんですけれど(笑)。
――お互いのキャラや演技の印象はいかがですか。小原 過去作で共演した時もリードしてもらうという立場が同じだったので、(石上さんは)本当にピッタリだなって。あと、石上さんが演じる高田くんは可愛い面を持ちながら、エピソードによって少年と大人の間を行き来する感じがあって良いんですよ。西村さんを引っ張ってくれて、柔らかな世界に連れて行ってくれる存在だと思います。
石上 西村さん役が小原さんと知って「なるほどな!」と。私、マンガを読む時には頭の中で声をイメージしながら読むんですけれど、西村さんだけはそれができなかったんですよ。というのも、西村さんは可愛い声でも低い声でも成立できちゃうと思っていたからなんですが、小原さんはその全てを兼ね備えた人なんですよ。いろんな要素をナチュラルに演じられる方だと思ったんですね。
最初はオーディションでまるで演じないままの現場入りだったので、小原さんも迷われているところがあったみたいですが、「感じるままに演じればいいよ」とアドバイスしたら、そこでほぼ完璧な西村さんになっていましたね。
――原作ファンである石上さんも大満足だったわけですね。石上 私の脳内キャスティングではピッタリでしたね、心の中で拍手しました(笑)。
(C)川村 拓/SQUARE ENIX・事情を知らない製作委員会がグイグイくる。