特撮ドラマ『電光超人グリッドマン』を原点とした2018年放送の『SSSS.GRIDMAN』と、その続編である2021年放送の『SSSS.DYNAZENON』。両作ともに、若者たちの繊細な心情を捉えた人間ドラマ、ヒーローやロボットと怪獣が激突する入魂のアクションシーンが熱い支持を獲得。放送から数年経っても愛され続ける人気作となった。2作が夢の共演を果たす新作劇場アニメ『グリッドマン ユニバース』が、3月24日(金)に公開。それに先立ち、1月20日(金)から『SSSS.GRIDMAN』、3月10日(金)から『SSSS.DYNAZENON』の劇場総集編が、2週間限定で上映される。今回『SSSS.GRIDMAN』響裕太役・広瀬裕也さん、『SSSS.DYNAZENON』ガウマ役・濱野大輝さんのW主人公対談が実現。同じ事務所の先輩・後輩で気心が知れたお二人に、作品の思い出や広瀬さんから見たガウマ、濱野さんから見た裕太の魅力など語っていただいた。>>>場面カットや各ポスタービジュアルを見る(写真11点)
◆気になる裕太とダイナレックスのその後◆――『SSSS.GRIDMAN』『SSSS.DYNAZENON』の劇場総集編、『グリッドマン ユニバース』の公開を聞いたときの心境をお聞かせください。広瀬 『ユニバース』は『SSSS.GRIDMAN』『SSSS.DYNAZENON』の続きが観られることは一ファンとしてメチャクチャ嬉しかったです。それぞれ全12話の物語として完結している2作がどう交わるのだろうとワクワクしました。総集編はTVシリーズをどうまとめるのかが気になりましたね。劇場の大スクリーンで観たときと、TVやスマホで観たときとは印象が変わって、また違った楽しみ方ができるんじゃないかと思いました。
――裕太は作品の結末を考えると、続編でどんな描かれ方をするのか気になりました。広瀬 そうですね。『SSSS.DYNAZENON』でメインキャラを一新したので、発表されたときはまた新しい主人公が出てくるんじゃないかとファンの皆さんの間でも予想がされたのですが、『ユニバース』の最初のビジュアルで裕太が出てきたときは嬉しかったです。
濱野 『SSSS.DYNAZENON』の最終回後に初報が出てから結構時間が経った感覚があって、公開時期が発表されたときは「やっとか!」という気持ちになりました。情報が解禁されていくにつれて、皆さんの中の期待感が高まっていることは僕らも感じていて。劇場総集編も『ユニバース』も、公開されるその瞬間を一緒に楽しめればと思っています。
――キービジュアルにはダイナレックスが登場していますが、ガウマが登場するのかどうかはファンの中でも注目されているところかと。濱野 裕太と六花の後ろにいるんですよね、シルエットのダイナレックスが。裕太と同じで、ダイナレックスが最終回後にどうなったのか、どう物語に関わってくるのかは、皆さん気になっているところではないのかなと思います。「グリッドマンの新形態も登場しますし、『ユニバース』はまだ謎に包まれている部分が多いので、いち『グリッドマン』ファンとしては、2つの作品がどう繋がるのかという未知の楽しみ、ヒーローが帰ってくるという興奮を感じています。
(C)円谷プロ (C)2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会
◆ギャップで魅せる裕太とガウマ◆――お二人ともお互いの出演作はご覧になっていますか?広瀬 もちろんです!
濱野 いや……。
広瀬 ちょっと(笑)!
濱野 冗談です(笑)。小さいころに『電光超人グリッドマン』を観ていて、アニメになったらどうなるんだろうと、いち視聴者として観ていました。
――それでは、広瀬さんから見た『SSSS.DYNAZENON』、濱野さんから見た『SSSS.GRIDMAN』の印象を伺わせてください。広瀬 『SSSS.GRIDMAN』以上に恋愛要素が色濃く出ていたり、学生時代の楽しい部分以外に焦点を当てたりして、よりディープな内容になっていると思いました。「こういうことも確かにあるよな」と共感できるというか。
――舞台設定が『SSSS.GRIDMAN』から変わっていることも、作風の変化の一因かもしれません。広瀬 そうですね。死やいじめといったワードが出てきたりもして、全体的に大人な雰囲気があるなと。いろいろ抱えた人たちが集まって、一緒に怪獣と戦って、勝利していく姿にも胸を打たれました。
濱野 『SSSS.GRIDMAN』は常に怪獣が見えている世界観など、往年の特撮のミステリアスな雰囲気を交えつつ、青春群像劇を描いていたことに感動しました。それでいてジャンクのように『電光超人グリッドマン』を思い起こす要素も散りばめていて。今『電光超人グリッドマン』をやるとこうなるという新解釈が、とても腑に落ちる作品になっていたと思います。だからこそ、新しいファンをたくさん獲得しつつ、往年のファンにも支持される作品になったのかなと思いました。
――お互いが演じたガウマ、裕太についてはどう思われましたか?広瀬 ガウマは強面な見た目から、怖いキャラクターなのかなと思ったんです。でも、濱野さんのお芝居も相まって、カッコいいのに少しかわいらしい、言葉遣いは荒いけど言動の端々に優しさを感じる人だと印象が変わりました。熱血少年的な王道のヒーロー像ではないけど、こういうヒーローもカッコいいなと感じましたね。あの身なりなのに愛嬌ややんちゃさがあって、不思議な魅力を持っているキャラクターです。
濱野 裕太くんは主人公らしい、ヒーローらしいキャラクターだと感じました。自ら怪獣に立ち向かって、ラストで戦っていた記憶が曖昧になるという結末が、円谷プロ作品の主人公らしいなと。普段の生活では優柔不断なところがありながら、怪獣が現れると凛々しく戦いに向かう。その姿がヒーローそのものだと思いました。あと両手に花で、モテモテだったなって(笑)。
広瀬 近くにアカネと六花がいましたけど、別に作中ではどちらともいい関係にはなってないですから(笑)。
濱野 そうだね(笑)。まあでも、ガウマには姫[き2]がいるんで。
広瀬 実は一途という。
濱野 ヒロインがたくさんいることも、今風のアニメーションらしいところですよね。カッコいいだけでなく、母性をくすぐられるようなところがあって、絆に熱くて友達にいるといいやつなんだろうなと感じられる。そういうところに円谷プロさん、TRIGGERさんの作品の良さが融合したキャラクターだと思います。
――改めて振り返ると、裕太っていろいろ持っていて結構ズルいキャラクターですね(笑)。濱野 ズルいですよ、全部詰まっていますから。裕也くんの声も、そこに魅力を添えていて。
広瀬 取ってつけたように声の話を(笑)。
濱野 人柄とか……声を張っているところとか……。
広瀬 絞り出していますね(笑)。
濱野 もう一個ぐらいないかな(笑)。人柄と、声と、あと、あと……。
――ガウマが話す「人として守るべきもの」と同じで、三つ目はそれぞれ考えるということで(笑)。濱野 そうですね、三つ目は委ねることにします(笑)。
(C)円谷プロ (C)2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会