Tom Petty & the Heartbreakersの音楽性は前作(といってもトムのソロだが・・・)「Full Moon Feever」によって大きく変化した。Jeff Lynneがプロデュースすることによって、反骨精神丸出しの屈強なR&R路線にポップ性が加わったように思う。 本作は91年リリースで非常にシンプルなアメリカンロックアルバム。とってもアーシーでアメリカの雄大さ暖かさを感じさせてくれるし、カントリー臭過ぎてないので、非常にバランスがとれた素晴らしいアメロク作品。
Running to fly は詩もとてもよくて大好きですし、Into the great wide open は PV がまた TP らしくてこれも大好きですが、それを差し引いても、当時、もうやめてくれ。と思いました。案の定、多分ジェフリンの音作りがいやで、このアルバムを最後にドラムのスタンリンチがやめてしまったと思います。このバンドの持つ、軽さと重さ、野暮ったさと洗練さという相反的なイメージが入り交じった独特の疾走感は、彼に負うところがとても大きかったと思いますが、それがかろうじて味わえるのは先の2曲が最後かと思います。もちろん、その後にも Wild FlowersやMary Jane's Last Dance (余談ですがこれのPVも僕は好きです) など、他のメンバーの仕事ぶりも含めてさすがと思わせる作品は出していますが、僕にとってはバンドとしての魅力は正直言って彼が抜けた後はあまり感じられなくなってしまいました。