先日も記事をアップしましたが、うたたねでは家具の修理を

承っております。

 

中には名作と呼ばれるものもあります。

今回ご紹介する椅子も、言わずと知れた名作椅子の一つ。

「アリンコチェア」という愛称を持つ

フリッツハンセンの#3101です。

 

この写真の背もたれが丸い形の「アリンコチェア」や

同じシリーズの肩に向かって背が広がる形状の「セブンチェア」は

構造が同じですが、これまでにも何度か修理をさせて頂いています。

 

 

背と座が一体型の成形合板に、細めのスチールの脚が付いている椅子です。

ご想像通りかとは思いますが、この椅子の弱点は、脚と座面の接合部。

脚と座面を固定するためのベースに不具合がおこる という事例を

これまでも何度か修理させて頂きました。

 

 

座面の裏はこんな感じでカバーが付いています。

中は脚を座面に留めるために、ベースが付いています。

2000年ごろからこのベースがプラスチック製になったようで、

力が掛かる部分なので、ここが割れたり

ビスが緩んだりと不具合が出ることが多いようです。

 

 

今回も、このベースに割れが入っていました。

このベースと本体の成形合板の接着が甘くなってしまうと

ビスが抜けてきたり、緩んだりしてしまいます。

樹脂も、接着剤も、ある程度の年数が経つと、どうしても劣化が起こりますので

なかなか厄介です。使い方、座り方によって

この部分にかかる負荷は変わりますが、

とにかくこのパーツが壊れていることが多いです。

 

ということで、今回はベース部分を木製に作り変えました。

 

 

木と木の接着であれば、かなりしっかりと圧着させることが可能です。

さらに、木の場合は、プレスチックのような割れ方をしないので

同じ故障の仕方はしないと考えています。

 

アリンコチェアの修理は、このベースと接合部分を直すことが

ほとんどだと思いますが、ベースの破損具合や、

ビス止め部分の損傷の具合によって修理方法を変えています。

 

本来であれば、製造メーカーの方で修理をするのが

筋だとは思いますが、海外製品ですし、メーカーや販売代理店は

修理について積極的に行っていないように感じます。残念ですが。。

 

偉大な建築家がデザインした名作ですし、

姿かたちもよく、インテリアによく映える椅子です。

大切に永く使いたいと思いますよね。不具合が出てしまっても、

手入れをすれば、きちんと使い続けることができます。

 

椅子の修理につきましては、まずは修理が可能かどうか

金額がどれくらいかかるかということで、お見積もりをさせて頂きますので

もしご興味があれば、お気軽にお問合せ下さいませ。