移民の事について何度か、ブログに書いたら2chとかコメント欄とかで盛り上がってる。twitterでT君が、「やっぱり「攘夷」のDNAって、いまだに、強いんだなあ。移民反対な人は、貿易も反対なんだろうか・・・。鎖国して、自給自足になればいいと思うのだろうか。。」って書いていて ああそうか、攘夷思想なんだなあーって思った。

そうこう考えていたら、落合弁護士ブログで石橋湛山の思想を紹介していた。

■[書籍][歴史・戦史]小日本主義―石橋湛山外交論集

んで、私の大学時代の恩師、船曳教授の著書に書かれている日本の3つのモデルに、このエントリは見事に符合する。

簡単に船曳教授の日本モデルを説明すると、日本は3つのモデルの間を歴史的に行ったり来たりしている。それはなぜかといえば、どのモデルでも日本は安定しないのだ。人口も国土の大きさも、資源、地理的な位置なども、中途半端なのだ。

3つのモデルは戦国時代の日本で一番有名な武将達が短期間に体現している。すなわち信長が国際日本モデル、つまり貿易を振興し他国を侵略するのではなく協調して開かれた日本を目指すモデルだ。そして秀吉が大日本モデル。朝鮮果ては明国すらも侵略することを目指して日本そのものの領土を広げていくモデルだ。そして家康。鎖国して、できるかぎり他国との接触を避けるモデル。これが小日本モデルである。

正確には、石橋湛山の小日本モデルは国際日本モデルのほうに近いと思われるが、歴史的には、国際日本(信長)->大日本(秀吉)->小日本(徳川幕府)->大日本(明治維新~太平洋戦争)->国際日本(戦後)という循環が繰り返されてきた。

どの状態にあっても、それぞれのモデルに賛成する勢力・反対する勢力があり、例えば移民政策の推進や食料自給率の低下などは、より国際日本モデルを進めるものであるが、それに対して移民を原則受け入れないだとか、食料自給率100%を目指すなどというのは、小日本モデル的反論である。上記のT君のような「移民反対な人は、貿易も反対なんだろうか・・・。鎖国して、自給自足になればいいと思うのだろうか。」という話になってしまう。

まだ、戦前の大日本モデルに対するアレルギー反応があって、他国を侵略したりという思想が大々的に出てくることはないが、時間が経てば軍事的にではないにしろ、色々な形で大日本モデルを目指す動きが出てくるに違いない。 どのモデルもかつての日本では実現されてきた。今後どのような形に落ち着くのだろうか。それとも落ち着かないまま、循環を繰り返すのだろうか。

船曳教授の意見もかなり面白いです↓

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