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ブライアン・イーノ AIについて語る 芸術には人間の直感と判断が不可欠 AIは平凡さを生み出すと主張

2025/01/14 16:18掲載
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Brian Eno photo: Cecily Eno
Brian Eno photo: Cecily Eno
ブライアン・イーノ(Brian Eno)は英ガーディアン紙の新しいインタビューの中でAIについて話しています。「私はかなり長い間、AIアーティストに近い存在だった」と話すイーノは自らの経験から、芸術には人間の直感と判断が不可欠だと主張。イーノはまたAIは平凡さを生み出すとも語っています。

「先日、ある人から“AIが作った作品で泣かせてくれたら、AIに興味を持つよ”と言われたが、それはとても良いテストだと思った。何かが作られる際に意図性を想定しなければ、それは不可能だと思う」

イーノは、もし何かを聴いて感動したとしても、それがAIによって作られたものだと知ったら、今感じた感動は否定されてしまうのか?と質問され、こう話しています。

「まあ、私の音楽の多くは、似たような方法で作られている。実際、音楽を制作するシステムを考案したり設定したりして、私はかなり長い間、AIアーティストに近い存在だった。

私はパフォーマンスの瞬間にはその場におらず、演奏をコントロールしているわけではないが、まず第一に、私はそれらを行うというアイデアを出したし、第二に、私はそれらを制作する装置を構築した。それには多くの決断が必要で、試行錯誤し、“これはうまくいかない”“ルールを少し変えてみよう”などといった思考を伴うものだった」

ガーディアン紙によると、イーノの主張は、芸術には人間の直感と判断が不可欠だというもので、キュレーターや編集者は必要であり、それは人間でなければならないという。AIは平凡さを生み出すと主張しています。

「まず最初にしなければならないのは、それ(AI)が常に陥ろうとする平凡さの淵に落ちないようにすること。なぜなら、そう設定されているから。よく考えてほしい、すべてが非常に複雑に聞こえるかもしれないが、(生成AIは)本質的には次の言葉を決めるためのシステムなんだ。私はそれに魅力を感じていないと言うつもりはない。感じているよ。でも、私の経験では、それがうまくいくのは、人々が入力する内容に非常に注意を払い、出力される内容に非常に批判的な場合だ」

イーノは以前に、アートに関するさまざまな考えを記したイーノの著書『What Art Does』のもう一人の著者ベット・アドリアンセと共に生成AIを使ってブライアン・イーノ風の楽曲を作ってみたという。いずれも中途半端な出来で「悪くはなかったけど、どれも“これはすごい、リリースしなければ”と思うほど良いものはなかった」と振り返っています。