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活動報告
開催日時 | 2019/05/29(水) |
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会場 | 有楽町 |
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2019年5月29日、蚕糸会館にて「モバイルアプリ解析の基本とFirebase向けGoogle アナリティクス」というテーマのもと、約2時間のセミナーが開催されました。
レポート執筆
二村 勇輔
松下 豊 氏(adjust株式会社)
第一部はadjust株式会社の松下 豊 氏から約1時間の講演がありました。
モバイルアプリの流入元分析を行うSDK・Adjustを通して、モバイルアプリの解析に関する基礎的な解説をいただきました。
Adjustの取り組みの大きなポイントは、
の3点です。
初めにアトリビューションの意味から説明があります。
「広告・マーケティングに関して使われる場合は主に、成果につながった流入経路・広告を解析し、成果への貢献度を測る取り組みのこと」と定義します。インストールがどこから発生しているかと考えればOKだと補足しました。
続いて、アトリビューションとリアトリビューションについての説明です。
アトリビューションの基本ルールとして、アトリビューション期間やラストクリックモデルについての話が進み、アトリビューションの優先順位では精度が高い順に6つ紹介されました。
リアトリビューションも言葉の説明から入ります。
「過去にアプリをインストールしたユーザーが設定された休眠期間を経て、 広告経由でアプリを起動、または、再インストールしたのちに起動した場合に計測されるもの」と定義します。
リアトリビューションの計測ルールなども紹介されましたが、現場で陥りやすいのは、広告媒体との計測ロジックの違いに関してではないでしょうか。広告ネットワークとの計測数値の乖離は、ラストクリックモデルやアトリビューション期間などの定義の違いにより生じます。
レポートについてもお話がありました。
特にアプリの場合はコホート分析が重要で「インストール/リアトリビューションした日を起点としたユーザーのその後のレポートである」と述べます。継続率や3日後での課金状況などを確認できるレポートです。
講演の最後のテーマとして、不正インストールに関して触れました。
アプリマーケにおける不正インストールが横行している中で、adjustが取り組んでいることや導入企業様の不正インストール対策後の改善点などを具体的に紹介。特に、企業様の改善点では、無駄な広告予算の削減だけに留まらず、不正検出のために費やした時間の削減や不正の多い媒体の特定が可能になったと紹介があります。具体的なので現場を意識しながら話を聞くことができます。
講演後にQ&Aを経て第一部の幕が閉じました。
中島 弘樹 氏(グーグル合同会社)
第二部ではFirebase向けGoogle アナリティクスの概要と使い方についてグーグル合同会社の中島 弘樹 氏から約1時間の講演がありました。
ウェブのアクセス解析をメインに行なっている方に向けて、ウェブとアプリの解析の違いやFirebase向けGoogle アナリティクスの特徴のお話を中心に進みます。
初めに、Firebaseの概要についての解説です。
アプリ開発が複雑化している中で、Googleとして解決策を提示したものがFirebaseで、リリース後に一度もダウンロードされないアプリが多数ある中で、どのように本質的なマーケティングに取り組むのかが課題、と中島氏は言います。
Firebaseの特徴として、1つのSDK、クロスプラットフォームなどを挙げました。
Firebaseの料金について「3つの料金プランがありますが、基本的には無料で使えるので、腰が引けたような感じにはならずに気軽に利用してほしい」と強調しました。続けて「よく誤解されるのが、料金プランの右側が一番高いということ。実はFirebaseの料金プランは右側が一番高いわけではない」と補足します。
中島氏の講演は、途中で質問タイムがあるため聞き手も一呼吸置けます。
次にFirebase向けアナリティクスに話は移り、ユーザー中心の計測について説明があります。
ウェブとアプリでは言葉が違うという背景があり、ウェブのトラッキングはPV・セッションで計測をしているが、アプリの世界ではPV・セッションの概念がなくユーザーベースでの計測となっているため、ユーザー中心の設計をしていると言います。
講演中には、管理画面やレポートの見方の紹介もありました。
Google アナリティクスとの違いを踏まえて話されたので、普段Google アナリティクスにしか触れていない参加者でも話についていける進行です。
続いて、従来のGoogle アナリティクスとの違い、ウェブ計測とアプリ計測の違いについても話が進みます。
Google アナリティクスとの違いに関して、Firebase向けアナリティクスのメリットであるサンプリングやヒット制限がないことやBigQueryへのエクスポート機能などの紹介がある一方で、人気機能の一つであるセグメントやセッションがないことについても語られます。
ウェブ計測とアプリ計測の違いについて、アプリ計測ではウェブ計測の2大基盤であるCookieとReferrerがないことを触れた上で、アプリ計測のタグの重要性やアトリビューションの概念について述べられました。
また、Firebase Predictionsについても紹介があり、かつてデータサイエンティストが行っていたことを現在はマシンラーニングで対応できると魅力的なお話になりました。中島氏の講演本編はここで一旦終わり、質問タイムへと移ります。
講演後のQ&Aでは多数の良い質問がありました。以下、抜粋します。
Q.PWAの計測ができますか?
A.ウェブ側の計測なので、PWAは計測することができません。
Q.Firebaseを無理矢理にでもウェブで使うことはできますか?
A.イエスというかノーと言うか……。
アプリ内のウェブビューに関してはソリューションを提供しています。ウェブのビューをアプリ内ブラウザで計測すると、アプリ内ブラウザでトラッキングした情報をSDKにわたすこともできます。ChromeやSafariなどに訪問した場合の計測については、リクエストを頂戴していますが現在は対応できません。
数少ないモバイルアプリ計測のセミナーは、最後まで熱気に包まれていました。
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