防府旅行記(ブログ) 一覧に戻る
長年、一度は訪れてみたいと思っていたのが、萩にある笠山である。標高112mの低山だが、活火山である。その北麓に、藪椿の群生林があるのだ。その椿を観るため、3月の初めに、萩を訪れることにした。旅程は二泊三日とし、初日は、これまで訪れたことが無かった防府の街を巡ることにする。<br /><br />(2024.03.10 投稿)

椿を観に笠山へ【1】~防府を巡る~

186いいね!

2024/03/01 - 2024/03/02

1位(同エリア138件中)

6

46

旅猫

旅猫さん

長年、一度は訪れてみたいと思っていたのが、萩にある笠山である。標高112mの低山だが、活火山である。その北麓に、藪椿の群生林があるのだ。その椿を観るため、3月の初めに、萩を訪れることにした。旅程は二泊三日とし、初日は、これまで訪れたことが無かった防府の街を巡ることにする。

(2024.03.10 投稿)

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
ホテル
3.5
グルメ
3.5
交通
4.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
5万円 - 10万円
交通手段
高速・路線バス 自転車 新幹線 JR特急 JRローカル
旅行の手配内容
個別手配
  • 東京駅を21時50分に出る寝台特急『サンライズ瀬戸』に乗車。部屋は、いつものB寝台個室シングルだ。金曜の夜なので、もちろん満室である。

    東京駅を21時50分に出る寝台特急『サンライズ瀬戸』に乗車。部屋は、いつものB寝台個室シングルだ。金曜の夜なので、もちろん満室である。

  • 翌朝、車内放送が定刻通りだと告げている。そして、岡山駅で下車。新幹線のホームへ向かい、6時51分発の『みずほ601号』に乗り換える。この列車で次の広島駅まで行き、山陽本線に乗り換え、防府駅へと向かった。

    翌朝、車内放送が定刻通りだと告げている。そして、岡山駅で下車。新幹線のホームへ向かい、6時51分発の『みずほ601号』に乗り換える。この列車で次の広島駅まで行き、山陽本線に乗り換え、防府駅へと向かった。

  • そして、8時45分に防府駅に到着。防府は、初めて降り立つ街である。9時に開いた観光案内所で自転車を借り、地図も手に入れる。

    そして、8時45分に防府駅に到着。防府は、初めて降り立つ街である。9時に開いた観光案内所で自転車を借り、地図も手に入れる。

  • 立ち寄る予定である阿弥陀寺までは坂道なので、初めて電動アシスト自転車を借りた。とは言え、まずはそのまま漕いで行く。少し走ると、大きな川を渡った。佐波川である。

    立ち寄る予定である阿弥陀寺までは坂道なので、初めて電動アシスト自転車を借りた。とは言え、まずはそのまま漕いで行く。少し走ると、大きな川を渡った。佐波川である。

  • 観光案内所で教えてもらった道を走ったが、大雑把な地図だったので、二回ほど道を間違ってしまい、最初の目的地である玉祖神社には、50分も掛かって辿り着いた。

    観光案内所で教えてもらった道を走ったが、大雑把な地図だったので、二回ほど道を間違ってしまい、最初の目的地である玉祖神社には、50分も掛かって辿り着いた。

    玉祖神社 寺・神社・教会

    黒柏鶏に会えます。 by 旅猫さん
  • 長い参道の先に、こじんまりとした境内があった。玉祖神社は、周防国の一宮である。一宮には、旅先にあれば必ず立ち寄ってるが、律令六十八国のうち、玉祖神社で三十国目であった。

    長い参道の先に、こじんまりとした境内があった。玉祖神社は、周防国の一宮である。一宮には、旅先にあれば必ず立ち寄ってるが、律令六十八国のうち、玉祖神社で三十国目であった。

  • 参拝し、御朱印をいただいた後、鶏舎で飼われていると言う『黒柏鶏』を見せていただいた。『黒柏鶏』は日本古来の鶏で、その名の通り羽や羽毛が艶のある黒色である。長鳴鶏の系統で、とても長く鳴くそうだ。この時も、とても威勢よく、その特徴のある長い鳴き声を聴かせてくれた。

    参拝し、御朱印をいただいた後、鶏舎で飼われていると言う『黒柏鶏』を見せていただいた。『黒柏鶏』は日本古来の鶏で、その名の通り羽や羽毛が艶のある黒色である。長鳴鶏の系統で、とても長く鳴くそうだ。この時も、とても威勢よく、その特徴のある長い鳴き声を聴かせてくれた。

  • 玉祖神社を後にし、北東へ少し走ると、広い野原にぽつんと樹が立っていた。地図を見ると、『宮城の森』とあるが、樹は一本しかない。調べてみると、日本書紀に纏わる景行天皇に関するものであった。

    玉祖神社を後にし、北東へ少し走ると、広い野原にぽつんと樹が立っていた。地図を見ると、『宮城の森』とあるが、樹は一本しかない。調べてみると、日本書紀に纏わる景行天皇に関するものであった。

  • 地図上には、すぐ近くに『玉岩屋』と言うものもある。行ってみると、石碑が立っているだけである。何でも、天孫降臨に関りのある玉祖命の墓だそうだ。もちろん、神話の中の話である。ちなみに、玉祖命は、玉祖神社の御祭神である。

    地図上には、すぐ近くに『玉岩屋』と言うものもある。行ってみると、石碑が立っているだけである。何でも、天孫降臨に関りのある玉祖命の墓だそうだ。もちろん、神話の中の話である。ちなみに、玉祖命は、玉祖神社の御祭神である。

  • 佐波川を渡り返し、駅の北側へと自転車を走らせる。すると、近くに種田山頭火の生家跡があるようだ。探してみると、そこには東屋のようなものがあり、石碑が置かれていた。山頭火は、自由律俳句で知られる俳人である。俳句を嗜む者としては、やはり気になる御仁である。

    佐波川を渡り返し、駅の北側へと自転車を走らせる。すると、近くに種田山頭火の生家跡があるようだ。探してみると、そこには東屋のようなものがあり、石碑が置かれていた。山頭火は、自由律俳句で知られる俳人である。俳句を嗜む者としては、やはり気になる御仁である。

    種田山頭火生家跡 名所・史跡

  • 生家跡近くから、『山頭火の小径』と言う細い路地が続いている。そこを辿って行くと、煉瓦造りの塀や水路のある風情漂う景色に出会えた。

    生家跡近くから、『山頭火の小径』と言う細い路地が続いている。そこを辿って行くと、煉瓦造りの塀や水路のある風情漂う景色に出会えた。

    山頭火の小径 名所・史跡

  • 小径を辿って行くと、防府天満宮の参道に出た。石造の一の鳥居の袂に『下馬下乗』とあるので、自転車を降りて進む。すると、青銅製の二の鳥居が現れた。その前後両側には、二対の狛犬が神域を守護している。手前のものは『萩狛犬』と言うもので、奥のものは『浪花狛犬』だそうだ。

    小径を辿って行くと、防府天満宮の参道に出た。石造の一の鳥居の袂に『下馬下乗』とあるので、自転車を降りて進む。すると、青銅製の二の鳥居が現れた。その前後両側には、二対の狛犬が神域を守護している。手前のものは『萩狛犬』と言うもので、奥のものは『浪花狛犬』だそうだ。

  • 鳥居脇の駐輪場に自転車を置き、鳥居を潜ると、すぐ右手に小さな社があり、その前に『さいせん』と書かれた赤い樽が置かれていた。『酒垂神社』と言う社で、天満宮造営の際、鎮座する山の中腹にある岩より湧く清水が美酒に変わったと云うことから、山は酒垂山、岩は酒垂岩と呼ばれたそうだ。その岩を御神体とするのがこの社である。赤い樽は賽銭箱の代わりの酒樽で、良い酒が呑めるようにと、お賽銭を奮発した。

    鳥居脇の駐輪場に自転車を置き、鳥居を潜ると、すぐ右手に小さな社があり、その前に『さいせん』と書かれた赤い樽が置かれていた。『酒垂神社』と言う社で、天満宮造営の際、鎮座する山の中腹にある岩より湧く清水が美酒に変わったと云うことから、山は酒垂山、岩は酒垂岩と呼ばれたそうだ。その岩を御神体とするのがこの社である。赤い樽は賽銭箱の代わりの酒樽で、良い酒が呑めるようにと、お賽銭を奮発した。

  • 大きな樹が印象的な石段を登ると、艶やかな楼門が現れた。その楼門を潜ると、拝殿があり、楼門から続く回廊と繋がっている。その回廊には、多くの人形が集められていた。『人形感謝祭』と言うものらしく、不要となった人形が持ち込まれ、別の里親を探すものだそうだ。

    大きな樹が印象的な石段を登ると、艶やかな楼門が現れた。その楼門を潜ると、拝殿があり、楼門から続く回廊と繋がっている。その回廊には、多くの人形が集められていた。『人形感謝祭』と言うものらしく、不要となった人形が持ち込まれ、別の里親を探すものだそうだ。

  • 拝殿で参拝を済ませ、御朱印をいただいた後、境内を散策する。すると、注連縄が掛けられた『紫雲石』と言う石が置かれていた。江戸時代に、地元の豪商が奉納した霊石だそうで、願い事が必ず叶うそうである。せっかくなので、無病息災を祈願した。

    拝殿で参拝を済ませ、御朱印をいただいた後、境内を散策する。すると、注連縄が掛けられた『紫雲石』と言う石が置かれていた。江戸時代に、地元の豪商が奉納した霊石だそうで、願い事が必ず叶うそうである。せっかくなので、無病息災を祈願した。

    紫雲石【防府天満宮】 公園・植物園

  • 境内には、『春風楼』と呼ばれる大きな建物もあった。その床下は、建立を断念した五重塔の一層目の軒の組物をそのまま利用している。かなり珍しいものだそうだ。その春風楼からは、素晴らしい景色が観られるそうだが、床下ばかりに目が行ってしまい、景色を眺めるのを忘れてしまった。

    境内には、『春風楼』と呼ばれる大きな建物もあった。その床下は、建立を断念した五重塔の一層目の軒の組物をそのまま利用している。かなり珍しいものだそうだ。その春風楼からは、素晴らしい景色が観られるそうだが、床下ばかりに目が行ってしまい、景色を眺めるのを忘れてしまった。

    春風楼 名所・史跡

    床下が見どころ by 旅猫さん
  • 楼門の前にまで戻って来ると、『天神餅』と言うものが目に付いた。白と蓬、梅の三種類あったが、白を購入。焼き立ての熱々で、甘さも程よく、とても美味しかった。

    楼門の前にまで戻って来ると、『天神餅』と言うものが目に付いた。白と蓬、梅の三種類あったが、白を購入。焼き立ての熱々で、甘さも程よく、とても美味しかった。

  • すぐ近くで甘酒を配っていたので、一杯いただいた。その甘酒も、甘さ控えめで喉越しも良く、やはり美味しかった。

    すぐ近くで甘酒を配っていたので、一杯いただいた。その甘酒も、甘さ控えめで喉越しも良く、やはり美味しかった。

  • 防府天満宮は、歴史上、最初に創建された天満宮である。境内には、『扶桑菅廟最初』と刻まれた大きな石碑もあった。参道の脇には、茶室『芳松庵』があり、お抹茶がいただけるというので立ち寄ったが、誰も出て来なかったので諦め、庭だけ眺めるだけとした。

    防府天満宮は、歴史上、最初に創建された天満宮である。境内には、『扶桑菅廟最初』と刻まれた大きな石碑もあった。参道の脇には、茶室『芳松庵』があり、お抹茶がいただけるというので立ち寄ったが、誰も出て来なかったので諦め、庭だけ眺めるだけとした。

  • 再び自転車に乗り走り出すと、すぐにご当地マンホールを見つけた。描かれているのは、『佐波川』、『右田ヶ岳』、『鮎』、『エヒメアヤメ』だそうだ。『エヒメアヤメ』とは、その名の通り愛媛に自生する小ぶりなアヤメで、絶滅危惧種に指定されている貴重な植物だそうだ。防府市に自生しているそうである。

    再び自転車に乗り走り出すと、すぐにご当地マンホールを見つけた。描かれているのは、『佐波川』、『右田ヶ岳』、『鮎』、『エヒメアヤメ』だそうだ。『エヒメアヤメ』とは、その名の通り愛媛に自生する小ぶりなアヤメで、絶滅危惧種に指定されている貴重な植物だそうだ。防府市に自生しているそうである。

  • 天満宮から旧山陽道を走ると、左手に石碑の建つ屋敷があった。『防府天満宮大宮司 武光家屋敷跡』とある。武光家は、周防国司であった土師氏の一族だそうである。

    天満宮から旧山陽道を走ると、左手に石碑の建つ屋敷があった。『防府天満宮大宮司 武光家屋敷跡』とある。武光家は、周防国司であった土師氏の一族だそうである。

  • そのすぐ先に、周防国分寺があった。大きな欅の木と立派な楼門が出迎えてくれた。その楼門は、文禄5年(1596)に毛利輝元公により再建されたものだそうだ。よく見ると、塀に5本の線が付いている。これは、皇室に所縁があることを示すもので、筋塀と呼ばれるものだそうだ。線が5本あるのは、最高格式なのだそうだ。

    そのすぐ先に、周防国分寺があった。大きな欅の木と立派な楼門が出迎えてくれた。その楼門は、文禄5年(1596)に毛利輝元公により再建されたものだそうだ。よく見ると、塀に5本の線が付いている。これは、皇室に所縁があることを示すもので、筋塀と呼ばれるものだそうだ。線が5本あるのは、最高格式なのだそうだ。

  • 楼門を潜ると、照明に大きな金堂が建っている。天明8年(1788)に、長州藩第7代藩主毛利重就によって建立されたものだそうだ。国分寺は、天平13年(741)、聖武天皇の勅願により国ごとに建立された官寺であるが、周防国分寺は、ほぼ当時の寺域をを残している。しかも、金堂は、当時の金堂と同じ場所に建っているそうだ。境内の広さの割に建物が少ないので、独特な風情があった。

    楼門を潜ると、照明に大きな金堂が建っている。天明8年(1788)に、長州藩第7代藩主毛利重就によって建立されたものだそうだ。国分寺は、天平13年(741)、聖武天皇の勅願により国ごとに建立された官寺であるが、周防国分寺は、ほぼ当時の寺域をを残している。しかも、金堂は、当時の金堂と同じ場所に建っているそうだ。境内の広さの割に建物が少ないので、独特な風情があった。

  • さらに進むと、周防国の総社である佐波神社に辿り着いた。急な石段を登った先には、こじんまりとした社殿が建っていた。かつては惣社金切社と呼ばれていたが、明治の神社整理により、佐波神社に改称されている。神社整理により失われたこの国の歴史は膨大なものである。社の向いには、『艫繋ぎの松』と言う、神功皇后に纏わる史跡があるのだが、小さな石碑が置かれているだけであった。

    さらに進むと、周防国の総社である佐波神社に辿り着いた。急な石段を登った先には、こじんまりとした社殿が建っていた。かつては惣社金切社と呼ばれていたが、明治の神社整理により、佐波神社に改称されている。神社整理により失われたこの国の歴史は膨大なものである。社の向いには、『艫繋ぎの松』と言う、神功皇后に纏わる史跡があるのだが、小さな石碑が置かれているだけであった。

    佐波神社 寺・神社・教会

  • しばらく走ると、綺麗に整備された道に出た。『旧毛利家本邸』の入口であった。防府天満宮と並ぶ観光地であるため、広い駐車場があり、多くの人が訪れているようだ。駐車場から入口までは、少し離れていた。坂を登った先にあった券売所で入場券を買い、まずは建物の方を見学する。

    しばらく走ると、綺麗に整備された道に出た。『旧毛利家本邸』の入口であった。防府天満宮と並ぶ観光地であるため、広い駐車場があり、多くの人が訪れているようだ。駐車場から入口までは、少し離れていた。坂を登った先にあった券売所で入場券を買い、まずは建物の方を見学する。

  • この毛利家本邸は、旧長州藩主毛利家が、大正5年(1916)に建てた邸宅である。1,200坪もあり、あまりにも広い。『勝てば官軍』を、まさに具現化したような贅沢さを感じ、正直好ましくは無かった。

    この毛利家本邸は、旧長州藩主毛利家が、大正5年(1916)に建てた邸宅である。1,200坪もあり、あまりにも広い。『勝てば官軍』を、まさに具現化したような贅沢さを感じ、正直好ましくは無かった。

  • 二階からは、広大な庭園が見渡せる。

    二階からは、広大な庭園が見渡せる。

  • その庭園に出てみる。これまでも、多くの庭園を観て来たが、ここは、広いばかりで趣を感じなかった。

    その庭園に出てみる。これまでも、多くの庭園を観て来たが、ここは、広いばかりで趣を感じなかった。

  • 早々に離れ、さらに東へと進むと、多々良大仏殿なるものがあった。鎌倉前期に、奈良の大仏を模して造られたと云われているそうだ。かつては現在の毛利家本邸の場所にあったそうだが、土地を接収され、今は道端に鎮座している。水戸と並び、数多くの寺や仏像を破却した長州藩にあって、現存するのは奇跡である。

    早々に離れ、さらに東へと進むと、多々良大仏殿なるものがあった。鎌倉前期に、奈良の大仏を模して造られたと云われているそうだ。かつては現在の毛利家本邸の場所にあったそうだが、土地を接収され、今は道端に鎮座している。水戸と並び、数多くの寺や仏像を破却した長州藩にあって、現存するのは奇跡である。

    多々良大仏 名所・史跡

  • そこから少し走ると、住宅街の中に、立派な石室を持った古墳があった。岩畠古墳である。外から見ると、小さな横穴のようだが、中に入るとかなり広い石室がある。市内最大の正室だそうである。元は円墳だったそうだが、周囲が開発で削られてしまい、石室部分だけが残った感じである。

    そこから少し走ると、住宅街の中に、立派な石室を持った古墳があった。岩畠古墳である。外から見ると、小さな横穴のようだが、中に入るとかなり広い石室がある。市内最大の正室だそうである。元は円墳だったそうだが、周囲が開発で削られてしまい、石室部分だけが残った感じである。

    岩畠古墳 名所・史跡

    住宅地に口を開ける石室 by 旅猫さん
  • その先で、旧山陽道と別れ、長い坂道へと入る。そのために、電動アシストを借りたのだが、思った以上に手強く、かなり疲れた。そして、ようやく辿り着いたのは阿弥陀寺である。その山門は大きく、どっしりとした構えであった。

    その先で、旧山陽道と別れ、長い坂道へと入る。そのために、電動アシストを借りたのだが、思った以上に手強く、かなり疲れた。そして、ようやく辿り着いたのは阿弥陀寺である。その山門は大きく、どっしりとした構えであった。

    東大寺別院 阿弥陀寺 寺・神社・教会

  • 山門を潜ると、その先に長い石段が続いていた。自然石を並べて造られた石畳のような石段で、なかなか風情がある。

    山門を潜ると、その先に長い石段が続いていた。自然石を並べて造られた石畳のような石段で、なかなか風情がある。

  • 石段を登り切ると、静かな境内が佇んでいた。本堂に参拝し、境内を散策する。小さいながらも池があり、なかなか良い。

    石段を登り切ると、静かな境内が佇んでいた。本堂に参拝し、境内を散策する。小さいながらも池があり、なかなか良い。

  • 境内の奥には、風情のある佇まいの開山堂が建っていた。阿弥陀寺には、80種もの紫陽花が植えられ、紫陽花寺と呼ばれているそうだ。紫陽花は好きなので、いつかその季節に訪れてみたいものである。

    境内の奥には、風情のある佇まいの開山堂が建っていた。阿弥陀寺には、80種もの紫陽花が植えられ、紫陽花寺と呼ばれているそうだ。紫陽花は好きなので、いつかその季節に訪れてみたいものである。

  • 鐘楼の脇から、別の石段が続いていた。こちらの方が長いようである。その石段を下りて行くと、途中には樹齢200年以上と云うヤマモモの大樹があった。全国でも10指に入る大樹だそうだ。

    鐘楼の脇から、別の石段が続いていた。こちらの方が長いようである。その石段を下りて行くと、途中には樹齢200年以上と云うヤマモモの大樹があった。全国でも10指に入る大樹だそうだ。

  • 麓に降りて時計を見ると、14時半前である。予定よりも、すでに1時間近く過ぎていた。そろそろ戻らないと、延長料金を取られるので、駅へと向かう。途中、これだけは観ておきたいと、周防国衙跡に立ち寄った。そこは、広大な空き地となっていて、石碑や説明板が立っていた。ここが、周防国の国府であり、今の防府の名の由来である。

    麓に降りて時計を見ると、14時半前である。予定よりも、すでに1時間近く過ぎていた。そろそろ戻らないと、延長料金を取られるので、駅へと向かう。途中、これだけは観ておきたいと、周防国衙跡に立ち寄った。そこは、広大な空き地となっていて、石碑や説明板が立っていた。ここが、周防国の国府であり、今の防府の名の由来である。

    周防国衙跡 名所・史跡

  • 駅に着くと、ぎりぎり15時前であった。しかし、列車の時間まで20分以上あるので、駅前の商業施設の飲食店街に向かい、牛肉おろしぶっかけうどんで遅い昼食とした。

    駅に着くと、ぎりぎり15時前であった。しかし、列車の時間まで20分以上あるので、駅前の商業施設の飲食店街に向かい、牛肉おろしぶっかけうどんで遅い昼食とした。

    讃岐の味 塩がま屋 山口イオン防府店 グルメ・レストラン

  • 15時26分の列車に乗り、防府を離れる。予定では4時間ほどで巡り、14時過ぎには宿のある湯田温泉に入り、中原中也記念館などを回ることにしていた。ところが、思ったよりも時間が掛かったのと、出だしで道に迷ったこともあり、結局、6時間もの滞在となってしまった。

    15時26分の列車に乗り、防府を離れる。予定では4時間ほどで巡り、14時過ぎには宿のある湯田温泉に入り、中原中也記念館などを回ることにしていた。ところが、思ったよりも時間が掛かったのと、出だしで道に迷ったこともあり、結局、6時間もの滞在となってしまった。

  • 新山口駅へ戻り、駅前から15時50分発のバスに乗り、今宵の宿がある湯田温泉へと向かう。25分ほどで着いた湯田温泉バス停の前には、8年前に泊まった『ユウベルホテル松政』が建っていた。見た目は普通のホテルだが、この宿の料理はなかなか良い。しかし、今は宿泊料金が高くなり、一人旅では利用できない。

    新山口駅へ戻り、駅前から15時50分発のバスに乗り、今宵の宿がある湯田温泉へと向かう。25分ほどで着いた湯田温泉バス停の前には、8年前に泊まった『ユウベルホテル松政』が建っていた。見た目は普通のホテルだが、この宿の料理はなかなか良い。しかし、今は宿泊料金が高くなり、一人旅では利用できない。

  • バス停から宿へ向かう途中の歩道に、ご当地マンホールがあった。その図柄は、山口市の夏の風物詩である『山口七夕ちょうちんまつり』である。最近は、狐が湯に浸かる図柄が基本なのだが、これは1987年に設置されたかなり古いものである。

    バス停から宿へ向かう途中の歩道に、ご当地マンホールがあった。その図柄は、山口市の夏の風物詩である『山口七夕ちょうちんまつり』である。最近は、狐が湯に浸かる図柄が基本なのだが、これは1987年に設置されたかなり古いものである。

  • バス停から5分足らずで、今宵の宿である『ビジネスホテルうえの』に着いた。あまり期待はしていなかったが、思ったよりも部屋は奇麗である。

    バス停から5分足らずで、今宵の宿である『ビジネスホテルうえの』に着いた。あまり期待はしていなかったが、思ったよりも部屋は奇麗である。

    ビジネスホテル うえの 宿・ホテル

    温泉街にあるビジネスホテル by 旅猫さん
  • すでに16時半を回ってしまったため、中原中也記念館を訪ねるのは諦め、すぐに温泉を使うことにした。この宿は、ビジネスホテルであるが、自家源泉を持ち、男女別の大浴場があるのだ。湯は無色透明の単純泉であり、湯舟も小さいが、一応、湯田の湯に入ることが出来るのは嬉しい。

    すでに16時半を回ってしまったため、中原中也記念館を訪ねるのは諦め、すぐに温泉を使うことにした。この宿は、ビジネスホテルであるが、自家源泉を持ち、男女別の大浴場があるのだ。湯は無色透明の単純泉であり、湯舟も小さいが、一応、湯田の湯に入ることが出来るのは嬉しい。

  • そして、18時半から夕食である。会場は、1階にある和食の店である。店内は小奇麗で、なかなか良い感じであった。

    そして、18時半から夕食である。会場は、1階にある和食の店である。店内は小奇麗で、なかなか良い感じであった。

  • 温泉宿の料理では無いので品数は少ないが、個人的には程よい量である。ただ、一品料理も多くあったので、二食付きにせず、夜はここで晩酌とすればよかった。

    温泉宿の料理では無いので品数は少ないが、個人的には程よい量である。ただ、一品料理も多くあったので、二食付きにせず、夜はここで晩酌とすればよかった。

  • とは言え、お酒も頼むことは出来るので、防府を訪れたこともあり、『山頭火』をいただくことにした。

    とは言え、お酒も頼むことは出来るので、防府を訪れたこともあり、『山頭火』をいただくことにした。

  • 鍋は、鶏団子であった。和食の店らしく、味は悪くない。初日は、防府を堪能するだけとなったが、湯田温泉には、また来てみたいものである。そして、明日は、いよいよ笠山の椿を観に行く。懐かしい越ヶ浜も楽しみである。ただ、天気予報は雪と出ていた。

    鍋は、鶏団子であった。和食の店らしく、味は悪くない。初日は、防府を堪能するだけとなったが、湯田温泉には、また来てみたいものである。そして、明日は、いよいよ笠山の椿を観に行く。懐かしい越ヶ浜も楽しみである。ただ、天気予報は雪と出ていた。

186いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

この旅行記へのコメント (6)

開く

閉じる

  • hot chocolateさん 2024/03/25 23:15:08
    萩の笠山
    旅猫さま

    こんばんは。
    ご無沙汰していてすみませんでした。

    萩は、はるか昔行ったことはあるのですが、笠山というのは知りませんでした。
    標高112mの低山にも関わらす活火山なんですね。
    藪椿の群生林ですか、今の時期花が見事でしょうね。

    不要となった人形を供養する「人形供養」というのは時折聞きますが、
    不要となった人形が持ち込まれ、別の里親を探す「人形感謝祭」というのは珍しいですね。
    魂の宿った?人形を大切に扱うのはよいことです。

    山口市のご当地マンホールの図柄が、狐が湯に浸かる図柄とはユーモラスですね。

    hot choco

    旅猫

    旅猫さん からの返信 2024/03/26 07:55:34
    RE: 萩の笠山
    hot chocoさん、おはようございます。

    こちらこそ、ご無沙汰しています。
    私も、遥かでは無いですが、19年ぶりの萩でした。
    とは言え、越ヶ浜のことで、萩の城下町は、四半世紀以上訪れていません。。。

    笠山は、世界一小さな活火山らしいです。
    火口にも普通に入れるのに、活火山って、不思議です。
    北麓に広がる椿の群生林は、色々な種類があるので、花期はかなり長いようです。
    でも、最盛期は短く、そこを外すと花はちらほら。
    しかも、背の高い樹が多いので、ほとんど見えません。

    人形感謝祭と言うのは、私も初めてでした。
    物凄い数の人形が持ち込まれていて、どれも立派な日本人形ばかり。
    また、大切にしてくれる人のもとへ旅立って行く、素敵な行事でした。

    狐が湯に浸かる図柄は、湯田温泉を発見した白い狐の伝説に纏わるものです。
    郵便ポストも、狐柄でした。

    旅猫
  • ポテのお散歩さん 2024/03/11 16:26:40
    防府
    旅猫さん こんにちは。

    山口県は関門海峡を渡った時に少しだけ下関側を歩いただけなので
    行っていないのと同じです。
    瑠璃光禪寺へ行きたいのですが、修復が終わるのを待っています。

    防府は防府天満宮しか知らなかったのですが、
    人形の里親を探すのは珍しいですね。
    『春風楼』の床下の木組みを見ることが出来るのも珍しいです。

    笠山は瀬戸内海側にあると思ったら、日本海側にあるのですね。
    知らない所ばかりなので、次回の旅行記も楽しみにしています(*^-^*)

      ポテ

    旅猫

    旅猫さん からの返信 2024/03/11 18:18:42
    RE: 防府
    ポテさん、こんばんは。

    いつもありがとうございます。
    ポテさんは、山口は下関だけでしたか。
    山口は、結構地味な感じがしますよね。
    私は、山口、湯田温泉、秋芳洞周辺、岩国、下関、萩、長府、そして今回の防府と、結構訪れていました。
    瑠璃光寺の五重塔は、とても優雅で美しい塔です。
    是非、観に行ってください。

    防府天満宮では、偶然、人形感謝祭をやっていました。
    凄い数の人形が持ち込まれていて、驚きました。
    初穂料5000円也を納めると、好きな人形を持ち帰って良いみたいです。
    正直、何故手放してしまうのかと思うような見事な人形ばかりでした。

    『春風楼』の床下は、五重塔の軒そのままでした。
    初めて観ました。
    地味ですが、個人的にはかなり面白いと思いました。

    笠山は、萩の郊外にある火山です。
    椿の群生林があり、そこそこ名が知られているようです。
    麓には、フグなどが泳ぐ池や風穴などがあり、結構気に入っています。
    19年前の旅行記も最近公開しましたけど、何故か越ヶ浜は気に入っています。

    旅猫
  • onivnさん 2024/03/11 04:12:22
    阿弥陀寺
    私も行きましたが、ひなびた良い場所です。

    旅猫

    旅猫さん からの返信 2024/03/11 09:05:31
    RE: 阿弥陀寺
    onivnさん、こんにちは。

    書き込みありがとうございます。
    阿弥陀寺、なかなか風情のあるお寺さんですよね。
    お寺の方も良い感じでした。

    旅猫

旅猫さんのトラベラーページ

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

この旅行で行ったスポット

この旅行で行ったグルメ・レストラン

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

この旅行記の地図

拡大する

PAGE TOP