2020/11/09 - 2020/11/14
118位(同エリア166件中)
ちゃおさん
昨夜泊まったホテル「八千代館」は江戸時代から続く金比羅山参詣客の老舗旅館だったとは、朝の和定食を食べた時に初めて知ったが、こうした老舗旅館もコロナ禍では青色吐息。清水の次郎長の代参でやってきた森の石松がどの旅館に泊まったかは知らないが、その当時からこの地に存在していた温泉旅館だ。朝の和定食が何時ごろからこんなスタイルになったのかは知らないが、もう何十年も同じスタイルで、もう既に何千人、何万人という宿泊客をもてなしてきたのだろう。
この八千代館からは琴平駅前の県道を真っすぐ三豊市に向かって東進し、市の山間部、愛媛と徳島に接する山中にある四国霊場第六十六番雲辺寺に向かった。ここは八十八ケ寺の中で、一番標高の高い場所にあり、ロープウェイを利用して行くことになる。所在地自体の地番は徳島県になっているが、四国巡礼上は讃岐一国の最初の霊場となっている。県道からは麓のロープウエイ駅まで取り付け道路を走るが、入り口を間違えミカン畑の農道に入り込み、車1台ぎりぎりの道幅の道路に往生したが、こうした時、軽を借りて本当に良かった。朝早い時間ミカン畑には既に何人かの生産者が収穫作業をしているが、愛媛香川の瀬戸内ミカンがこうして全国に出荷されて行くのだろう。漸くバスも通れるほどの本道、ロープウエイ取り付け道路に出て、8時半、麓駅に到着した。
ロープウエイは15分おきに出ていて、丁度今しがた8時半のゴンドラが出た直後だった。大きな駐車場は大型バスが何台も駐車できるほど広いが、この時間乗用車が5-6台駐車していたのみだった。どこからやってきたのか、自分よりももっと早くに行動を開始し、より多くの霊場を短期日に回ろうとしているのか・・。この駐車場自体が標高200m以上はあり、駐車場端からは眼下の三豊市、四国中央市、それに瀬戸内海が遥々と眺められる。
三豊市は亡き大平総理の故郷。いつ頃から三豊市と呼ばれるようになったのか・・、総理は旧豊浜町の出身だった。20数年前、高知の五台山竹林寺を訪問した折、濱口雄幸の生家を訪ねたが、藪の中の小道を歩いた先に生家があって、こんな田舎からよくぞ日本を代表する総理にまで立身出世したかと感嘆したが、同じような思いを大平元総理にも思う。門閥係累もなく、努力と勉強一筋で、政界を駆け上った。総選挙さ中志半ばにしてして倒れたのは無念の思いだっただろう。「あーうー」の中にその無念さが込められていた。さて駅に戻ろう。そろそろ次のゴンドラがやってくる時間だ。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- レンタカー JALグループ
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