先輩《俺たちの大学物語#14》
「・・・という訳でアルバードと僕は友人になったよ」
「ほ~~ん?」
「君が嫌じゃなければ、皆と今度ご飯でも行こうかと考えているけど」
「い~ですよ~!」
ごはん~!
「あ、シャンプーの補充は済んでいるよ」
「ありがとうございます」
すみませんいつも・・・
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シャワシャワ~
「・・・ジュード先輩ってもうすぐ卒業ですよね」
「あ~もうすぐ12単位取るって言ってたモンなァ」
「え~サビシイ~」
「もう一人の先輩は俺らがいる間に卒業せんのかね」
「あァ~デカセンパイ?」
「あ~いう先輩はどう接したらいいか、わからん」
「ジュード先輩もデッカー先輩も・・・お世話になっているので贈り物をしたいですね」
「ン~ま、そうだな~。ところでヴァレックス、お前いつもよりシャワー長くないか?」
「なんかァ皮膚がボロボロするんだよ~」
「日焼けのせいだ。それ」
あんまこすんなよ
ある日の午後
「コレをあ~して・・・ン~?コレ別の授業のヤツだ・・・」
え~と・・・
「・・・何しとるんだ玄関で」
「アァ~デカ先輩!ドコ行ってたの~?このプレゼンの案聞きたくてェ」
「ン・・・」
「ネズミ捕りの改良か・・・そういう題は年ごとにネタが尽きるからな。速効性ばかりでなく、遅効性のトラップなんて言うのはどうだ」
ちなみにチーズを置くなんていう定番は減点だぞ
「ほえ~遅く効くやつ~?ふむふむ~」
「ン?なんスかアンタ、外出てたんスか?天日干しの日ッスか?」
「お前なァ・・・相変わらず失礼だぞ」
「ネズミに駆除効果のあるお布団を用意するとか~?」
「クンクン・・・ン~外出ただけあってカビ臭さはないッスね」
「な・・・オイ・・・何を」
「てか今日の服装もなんスか?てかアンタいつ生まれッスか?」
ウチの父親と同じ年じゃ無いッスよね?
「あのな~・・・」
「で?何しに外出てたんスか?盗撮機の回収スか?」
「・・・・講義だ」
「は?」
「なんだ、俺も大学の生徒だぞ。講義に行っとったんだ」
悪いか
「停学明けたんスか!オメッスw」
「誰が停学だ・・・好きで休学してたんだ。まぁ次学期で卒業だ」
「そ・・・なんスか。そりゃまァ・・・」
「なんだそのツラは」
「えェ~デカセンパイもソツギョーなん???サビシー!」
「まぁそういうことだ。お前らあんまり部屋くるなよ」
「ウィース・・・」
『サ~ビ~シ~イ~ヨ~~~』
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「やぁ、洗濯かい?」
「ウム・・・」
「悪いけど柔軟剤使える方はまだ少し掛かるよ」
今度もう片方もヴァレックス君に付けてもらおうか
「洗えればどっちでも構わん・・・」
「ね、君も次学期で卒業するんだって?」
「・・・なんでもう知っている」
「元気な子が多いからね。さ、隣にどうぞ」
「・・・別に語るようなことはないぞ」
「ず~っと大学にいた君がどうして卒業するのかすご~く気になるんだけど?」
「単にいい就職先が見つかったからだ・・・」
「それだけ?」
「・・・・それだけだ」
「君は在学中にやり残したことは、もう無いのかな」
「・・・・ずいぶん居たからな」
「長い時間だからこそ、貪欲になったりしないかい?」
「・・・・どうだかな」
「うん?回しっぱなしでいいのかい?」
「飯食ってくる・・・・」
「そっか、卒業式は一緒に出ようね!」
「フン・・・・」
「卒業かぁ、・・・少し寂しいものだね」
さて、僕も寝ようかな
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「ウィ~ス。ボッチ飯乙で~す」
「・・・・なんだお前か。相変わらず遅い帰りだな」
「皆様方と違ってアタシはフツーの学部ッスから~☆」
ラクショーなんスよ
「・・・・そうかい」
酔っぱらっとんのか
「今夜は帰らないつもりだったんスけど~卒業しちゃう先輩と残り少ない時間を尊重しよーと思ってェ帰ってきたんスよ~?カワイー後輩がいてヨカッタッスね?」
「あァそりゃどうも。こっちは鍵をかけたドアをこじ開けられない安心感が待ち遠しいね」
「な~んスかカワイクネー」
「俺に可愛げを求められてもな・・・俺はもう寝る」
乾燥機もかけなきゃいかんのだ
「アンタ、思い出欲しくねーッスか?」
ガタン
「は・・・・?!」
つづく