ワーストスキンシップ・前編《俺たちの大学物語#11》
就寝前の男子トーク
「ハハ・・・ヴァレックス君の話は、何を聞いても衝撃的だなァ」
「そ~ですかァ?」
「初恋の人が婚約者って、素敵だね」
「ジュード先輩、コイツの武勇伝全部聞くには休学届が必要かもしれないよ」
「そんなに?ハハハ・・・あ、じゃあもう一つだけ気になってたんだけど」
「ヴァレックス君って古傷がいくつかあるけど・・・それはどうしてなんだい?」
「あ~それオレも聞いたことなかったな」
おおかたゴミ漁りで付いたもんかと思ってたが・・・
ジェブ、寝そうだな
「(うつらうつら)・・・ギリギリ起きてます」
「そ~そ~最近思い出したんだけど、コレねぇ」
「(眠いけど気になる・・・)」
「ジャングルで熊と戦った時の傷」
「「「熊ァ?!」」」
「ウン・・・ン?どしたの?」
その日の夜も大いに盛り上がった男子トークなのであった・・・
。
。
「(ジャングルで出稼ぎ中に、クマに襲われ負傷・・・折角のタトゥーが台無しダヨ・・・)」
ジャングルに熊っているの・・・?
「すごい経験してるなァ・・・」
今日の日記おしまい
・
・
「奨学金申請しまくってたらスポーツチームに入ることになっちまった」
まァ楽しいからいいんだけどな!
(大学中よくやっちまうやつ!)
・
・
「つうわっけで・・・夜はサッカーチームの練習さ」
トントン
「ノックン、リフティングじょ~ずだもんね」
「リフティングが出来たところでな~試合じゃ~てんやわんやよ」
「ほいっ、じゃ、オレ練習行ってくるわ」
パス!
「ほいほいほ~い」
いってらっしゃ~い
「授業は・・・明日のお昼・・・課題は終わってる・・・」
バッチリ!
「な~んか忘れているよ~な」
「ヴァレック~ス君っ☆」
ぴょい~ん
「あ」
これだ
「ひさしぶりっ!ソッチ行ってもイイかな!?」
「あ、どうも~センパイ」
「来ちゃった☆」
「相変わらず、お元気そうでェ」
「ン!?ソコにいるのは我が学部のボシイ君かね!?」
ガチャン!
「あ、物理のセンセ~・・・」
「キミ!次の試験のスケジュールは確認したかい⁉」
「ハイ、スマホにしっかり登録しました(教えてもらった)」
「よろしい!あーいうのは…次は無いからね!」
「ンッ⁉君は・・・」
「・・・・・」
「芸術学部の・・・ンン・・・?まぁいい、それでは!」
「ハァ、前回試験行くの忘れちゃったから目付けられてるなァ」
「あぁ…そういうことだったんだね」
「ドンマイヴァレックス君☆」
さわ
「いや、もう気にしてないんですけど・・・」
「ポジティブなのはイイコトだね~・・・」
さわさわ
「・・・・あのォ、そうやって触られるのちょっと・・・・」
イヤなんですケド…
「な~に言ってんの!男同士これくらいフツーだよっ☆」
むぎゅ
「わ」
おケツ
今日の
お空は
優しい色をしていた・・・
。
。
。
「えっと、男子学生同士のスキンシップかい?」
「カラダ触ったりぃおケツ触ったりするのってフツーなんデスカァ?」
「う~ん・・・親しい仲間内なら普通だと思うけど・・・」
僕の周りにはあまりいないけどね
「したしいなかま・・・」
「ノックス君やジェブ君ならそのくらい普通じゃないかい?」
確かにノックンとジェブならイヤじゃないと思う・・・
だけど先輩は・・・
ハァ・・・
「ヴァレックス君・・・?」
大丈夫かな?
悩みがあってもやらなければいけないコトは無くならない
「ムム、ココの部分ナンカオカシイ・・・」
ナオシナオシ
ひょっこり☆
「(やっぱり出た・・・)」
「ヴァレックス君☆レポートかい?」
「はぁ、まぁ・・・」
「一息入れないかいっ?」
ウキウキ
「いや別に・・・」
「おいしいもの食べに行こうよっオゴるからさっ」
ぴく
「なんでも食います」
「そうこなくっちゃ~!」
・
・
・
「(・・・ハッ!つい食べ物に釣られて来てしまったぞ)」
まずいな
「さ、なんでも好きなの頼みなよ」
「・・・ハイ」
『おや?ヴァレックス君じゃないか』
「む?」
「わァ、ジュードセンパ~イ!」
「奇遇だね!とはいえ僕はもう講義に行かなきゃなんだけど・・・ええと、そちらは」
「・・・芸術学部のアルバード、だ」
「初めまして、経済学部のジュード・ロジャーズ」
彼と同じ寮なんだ
「(うーん?芸術学部にこんな雰囲気の人って・・・いたかな?ウチの芸術って高等学部じゃないからか、なんていうか・・・妙なタイプの人間が多いんだよね。姓を名乗らないということは何かありそうだなぁ・・・)」
ジュード先輩の高速分析
この間、数秒
「(でもまぁヴァレックス君なら大丈夫かな?)じゃ、僕はこれで。またね」
『(ジュード先輩行かないでホシイナ・・・)ハーイ、また~・・・』
「・・・フゥ」
「さ、料理も来たことだしお食べ!」
「ワ~~~イ」
「オニオンリングと~フィッシュフライも食べたいナ~」
「どんどん食べていいよ~♡」
・
・
「ゴチソ~サマデシタ」
「ウンウン、イイ食べっぷりだったよ」
「・・・ヴァレックス君には婚約者がいるんだよね」
「ハイ~(アレ?言ったっけ?)」
「それを知ったうえで伝えたいんだけど・・・」
「僕と付き合ってくれないか?」
「????」
「突然ですまない!でももう、気持ちを抑えきれないんだ!」
「えェ~???」
「うェェ~???」
「無理ですゥ・・・」
「くっ!そう言われるとは思っていたよ!」
「オレはァ、心に決めたヒトはジョノアちゃんダケなのでェ・・・」
スミマセンケド・・・
「ぐぬぬ、想定内さ!」
「じゃあお願いを一つ聞いてくれ!キッスをしてくれ!」
「え、えェ~~~???」
「もっと無理なんですケド・・・」
「ガーン!1度だけでイイ・・・!」
「イヤデス・・・なんやねんもう・・・」
帰ってイイですか
フッ
お?諦めたか
ガバチョ
「!!!!!!!!!」
「愛しているんだよォォ~~~ヴァレックス君んんん!!!!」
ス~リスリスリスリ!!!!
「ドン・ガバチョ~~~~!!!!!!」
アァァァァ~!!!!
ギャァァ~~~・・・
「ん?なんか断末魔が聞こえるッス」
ピピッ
ガション
「アッ!ジェニコ!!!ジェニコータスケテェ!!!」
(※視力4.0)
「・・・なんスかァ?」
「カレシセンパイ、ナニしてんスか?」
「タスケテェ!ナニされちゃう!」
「ジョノア先輩にはギャルに目を付けられたら駆除しろって言われてるんスケド・・・」
この場合も有効ッスか?
「すごい頬ずりされてるっスね。ソレ自分でほどけないんスか?」
もしゃもしゃ
「なんかスッッッゴイ気持ち悪くてチカラが出ないの!!!!!」
「的確にツボを突いてるんスかねェ」
ぼりぼり
「ア!それナニ食べとるん?」
「ボルト・エナジーバーッス」
「おいしそう!でもタスケテ!」
「しゃ~ないッスね~。ハイ、ブレイク!」
べり
「ジェニコー意外と力強いのナ・・・」
ふぅふぅ・・・やっと解放された
「あぁ・・・もう少しで愛が伝えられると思ったのに!」
「ん?てかこの人見覚えあるッス」
「この周りが見えてない変態的な視線とかそっくりッスねェ」
「え?」
「確認してみるッスかね、え~とキンバリー・ハルフォード・・・」
「アァ!キンバリー⁉嘘!!知っているの⁉」
(ぐったり)
「あ、すぐ行くから待て、だそうッス」
「ハァッ!(声にならない叫び)」
つづく