エンジョイ・ユニバーシティ《俺たちの大学物語#04》
起床~!
「国境は越えても~盛者必衰~♪」
フンフンフーン♪
授業までに課題を済ませるぞ~!
「…ヴァレックス君って、とても奇麗な字を書くんだね!」
「そおですか~?ン~孤児院でいっぱい字書かされたからネ」
ハンセーブン
「へへ、褒められちった!」
「あ、備品の位置わかったかい?」
「はい、大丈夫です」
「この式に~数字を入れてェ、ココは2つ合わせて、足し算!」
《教科書:子ザルでもわかる!ウキウッキー物理学》
「(奇麗な字…意外です。あと計算が早い…)」
「ボシイさん、計算得意なんですね」
「ン~算数はたくさん覚えさせられたヨ。壁一面のタイムズテーブルズとか」
「もしかして99の段まで覚えているってやつかい?」
「頭の中で西洋ナシを数えてる」
「「・・・・・?」」
「たまにグアバにするケド」
「孤児院のベンキョーもムダではなかったんやな~」
肉体労働ばっかしてて気づかんかったわ
トコトコ
その後も特に問題はなく大学生活をエンジョイ
「ジェニコー、なにしとるん」
「大学の周りのオイシー店のコラム書いてるんスよ」
「アタシこれでも評論家キャリアなんスよ~!ギャルに人気のグルメ評論家ッス!」
「ほ~ん。ガッコも行ってンのに大変やな」
「ま~趣味みたいなもんスから、そうでもないッスよ」
「君達物理は今期プレゼンだったよね?早めに情報はつかんでおいた方がいいよ」
しまったままだと忘れちゃうよ
「ふむ、あのデカいパネルはドコで広げたらいいんだろうね?」
「そこの廊下しかないかなぁ…」
ズラリ
狭い区画なので廊下くらいしかスペースがない…
「ファイトッス~♪アタシは下でドラマ見てますわ~」
「ハァ、こりゃつまらん。表を貼って書き足して、これじゃダメだと並べ替え…」
「物の壊れ方って数字で表す必要ある~?」
「なんで壊れたかキッチリ知っておけば壊れにくいものが作れるのさ」
「ウ~ン」
鉛筆逆なんだけどなんでなん
消しゴムついてんのかと思ってたけど違うしィ
「ちょっとくたびれました…学んだことを整理するって大変です…」
「俺もだ」
「オレも~」
「そうそう、図書館の方に新しく出来たバスケットコートがあるよ。エネルギッシュな君達は気に入ると思うけど?」
「バスケ…」
・
・
・
「「「 わ~~~~い! 」」」
「バスケ♪バスケ♪」
ルンタッター
「いや~やっぱお外で体動かすのがイイね~!」
「ココなら寮から近いしいつでも来れるなぁ」
「そうですねぇ」
「ファイヤ~」
「ダ~ンク」
「おっ!やるな~。俺もダンク!」
「僕はドリンク…なんてね…」
ワイワイワイ!
「・・・」
「次オレね~」
「おう、行け~!」
・
・
・
「そうそう、図書館の隣にキッチンカーが来ていたよ」
「へぇ~何系スか?」
「なんかコオロギフライが美味しいんだとか」
「うへ~昆虫食ッスかァ」
「正直ビミョ~なんスよねェ」
「食糧問題解決の可能性を秘めた食材だよ?今から慣れておくのもアリだぜ~」
「ま~近々行ってみるッス…コオロギせんべいはバズってますし」
「ジェニファーさん…お皿はこれで全部洗い終わります!」
「アザース!そしたら帰ってヨシッス!」
「えっと…その子は誰だい?」
「ん?小間使い4号ッス。いや2号だったかな?」
「…3号です~」
「あー!皿洗いのサン号!うっかりしてたッス☆」
「じゃ、ボクは帰りますぅ…」
「ん、おつかれっした!また連絡するッス♡」
「(この子はど~いう交友関係を広げているんだ…?)」
・
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・
シャワシャワ~
「んねェ、いつもそのアタマの方がイイんじゃな~い?」
「…まぁ別にどっちでもいいんですけど…なんとなく」
取替式みたいに言いますね…
「ほ~ん。」
「一人で生きていけるようになったら…もっと自信が持てる気がします」
「ジェブ君はシッカリしているよォ~」
「フフ、ありがとうございますボシイさん。」
「てか髪ほどくの忘れてたァ。あ~あともうナマエで呼んでヨ~」
「…ヴァレックス?」
「ま~オレのナマエって初めて書かされた時に盛大に字を間違えてこう呼ばれるようになっちったんだケド~」
「えぇ…では本当の名前は…?」
「忘れちった☆元々名前なんて無かったし、なんでもいいや、テキトーってカンジ」
「(凄い人だなぁ…)」
・
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・
「じゃ!プレゼンのコツを教えるよ」
「タイトルはシンプルかつ目を引く大きさで、表はカラーでわかりやすく…」
「文章が結構多いですね…」
「僕は経済学だから堅い言葉が付き物なのさ。物理なら数式だらけになるのかな?」
「オイ、右下の図は間違いだ」
「ウォ…誰だい?」
「ランドグラーブの経済理論は今年更新されている」
「大学のデータベースに頼り過ぎないことだな」
スタスタ
「で、誰?誰なの?」
「3階のセンパイだよ~」
ジェニコーおらんから出てきたんやな
「は、初めて見た…」
「び、びっくりしました…」
「僕も。やっぱり噂通りベテランの生徒のようだね」
なんだかんだ全員顔合わせ完了!
つづく