Do it yourself《ストロング・ガール#06》
Del Sol Valleyーラリヴァンコ邸
「ジョノア、入るぞ。」
「ん…お兄たま…。」
「帰ってきてから、ずっと部屋に籠っているそうじゃないか。」
「お兄たま…昔アーシが襲われた時のコト、覚えてる?」
「急にどうした。忘れるわけがないだろう。」
「嫌ァ!お兄様ァ!」
「貴様!私の妹に何を!」
「ンガーッ!」
「セイ!」
「ンゴッ!」
あの時、トドメを入れようとしたら…
バシッ!
「何…!?」
スタコラサッサー!
「この…待ちたまえ!」
「あ~ばよォ~!オニイチャ~ン!」
「くっ…逃げ足の速い…!待て!」
。
。
。
「…という感じだったな。あの後も捕まえてボコボコにしたが結局逃げられたな。ゴキブリ並みのしぶとさだった…。」
「ハァ…アーシそのオトコに、会ったの。」
「なん…だと?」
「スキになった人が…そいつだったの…。」
「もぅ意味ワカンナイ…こんなコトってフツーある…?」
「ジョノア、大丈夫だ。今はゆっくり休みなさい。」
「お兄たまァ…!」
「兄さんがついているから。安心しなさい。」
「ウン…。」
「父さんと母さんも心配しているぞ。ご飯はちゃんと食べに来なさい。」
「ウン…ありがとお兄たま。」
。
。
。
「さて…私のできることをしよう。」
スタスタスタ
出来る男は行動が早い。
「オイ、出てこい。」
「ンン?誰ザンスか?」
「とぼけるな。私の顔を忘れたとは言わせんぞ。」
「ンン~?」
「この…一度ならず二度までも私の妹を…!」
「グアーッ!アッー!思い出した!オニイチャ~ンデスネ!?」
「記憶力は良いようだな。」
「ゲホッ…容赦ないッスね…。」
「アァ…オニイチャンサマ…お変わりないよーで…。」
「ジョノアに今後近づくな。」
「ンン…ちょっとだけ話してイイスかね。」
「オレの初恋なんですゥ。」
「は?」
「イモートさんがァ、オレの初恋なんですぅ。」
「何を言ってるんだお前は。」
「いや~オレ後にも先にもオンナにビビッとキタのあの時ダケでェ…。」
「言い方がいやらしい…!私の妹を何だと思ってるんだ!」
「いや~ココの街の人妻にも似たような気持ちになりましたケドォ?あの時とは比べ物になりませんで…。ヘヘ」
「聞いているのか貴様!」
「一目惚れッスよ~。ふんわりして、柔らかそうで、とても触りたくなりました。」
「だから言い方がいやらしい!私の妹を穢すな!」
「本当はチョット驚かして」
「笑ったりしてお近づきになりたかったんデスゥ。」
けど…
「イヤァァァァ!ヘンタイー!」
「え~!ナンデ逃げるのサ~!」
「…ってワケです。」
「どういうワケだ。そもそも何でお前水着だったんだ。」
「オレあの時孤児院のプール開きに参加してたんですけど、抜け出してストリーキングやってたんスよ。流石にアプローチする時は勝負パンツとして履きました!」
「意味が…わからない…。」
「最終的に脱ぐつもりでした。」
「ここで始末してやる。」
「アガガガガ!やめちくり!」
「ゲホ…オレ~昔からヘンとか変わってるとか言われますがァ。あの時の気持ちにウソ偽りはなく真っ向勝負に至ったワケでありまして…。」
「どういう訳だ…。」
「ぶっちゃけあの時の子って知った今、諦めきれない何かがあります…。」
「なに…?」
「せやっ!」
「!!!貴様…ッ!」
「オニイチャン、サーセン!オレ、欲望にはチュージツなんですわ~!」
「ま、待て…!ぐぅ…。」
「ジョノア…!」
つづく