恒久友情《ルームシェア#14》
「・・・なんで僕が一番最後に知らされるワケ?」
「まぁ、一番簡単に伝えられそうだったからな」
「でも凄いね。家、丸ごと貰えるんだ?」
「祖父の物だったらしいが・・・叔父が手放したいんだと」
「あ~あ寂しくなるなぁ!毎シーズン絵葉書でも書いちゃうんだから!」
「フン、そんなマメな人間でもないだろう」
どんな家だか知らんが・・・
屋根があれば十分だ
。
。
「や。片付いてきたね」
「ウム」
「これ、餞別だよ」
「・・・ム・・・悪いな・・・」
「これは、セーターか」
「恐らく向こうじゃニットかキルトを身に着けると思ったから」
「・・・どうかな。だが、有難く頂くよ」
「(ワォ。イアンが笑うなんてレアだなぁ)」
2人でいられるのも残りわずか
本当は初めから3人で暮らす計画だった
計画のアレコレを告白したら
イアンは少し呆れていたけど
前のように怒ったりしなくて
更に年配者になってしまった気がしたよ
ジェニファーは何度連絡しても返信は無い
薄々だけど・・・イアンが順序間違えたんじゃないの?
って思うんだよね・・・
ま、今更言ったところで水を差しちゃう気がしたから言わないけどさ
イアンが良しとしているならもういいさ
彼女の方は・・・考え中
。
。
。
「ずいぶん身軽だね?・・・ていうか痩せた?」
「全て送ったからな。
体重は知らんがベルトの穴は3つ程変わったようだ」
「ワォ・・・」
「まぁその、世話になった」
「僕の方こそ」
「田舎で何も無いだろうが・・・気が向いたら来ればいい」
「え?もちろんそのつもりだけど?」
「・・・わざわざ言ってやっただけだ」
『ハハハ』
「じゃあなジュード。元気で」
「またね、イアン」
・
・
こうして僕らのルームシェアは終わったんだ
あっけない?
まぁこんなもんだよ
僕はもう受け入れたさ
ただ、こうあって欲しかったという願望だけは
ずっと、胸の中に残しておこうかな
彼らだって、それくらい考えていると思うんだけど
『もしもしアル?今から飲みに行かない?
え?朝だけどって?関係ないよ!』
短くても、一緒に人生を共有した友人の事を
僕は忘れたりしないからね
。
。
。
「ねぇ、いいの?見送りとかさぁ」
「・・・・」
「半端な気持ちで話なんかできないッスもん・・・」
「え?何?」
「・・・・ったく」
アタシで〆ちゃってイイの?
ルームシェア
END