ETC車高速割引を拡大∞東北6県できょうから(朝日新聞)
東北地方の高速道路の料金割引社会実験~8月20日から開始します~(国土交通省東北地方整備局)
以前、山形市周辺の山形道・東北中央道でも「社会実験」(この名称なんとかならないのかな)でETCの時間帯割引を行っていたが、今回のは少し違う。
東北6県でそれぞれ行っているので、詳しくは上のリンク先(国交省)を見てほしい。なお、割引内容(PDF)だけ見るのも可。
さて、今回の料金割引実験の目的は、
> 地方部で国道に並行する高速道路を有効活用し、
> 地域が抱える課題(一般道の慢性的な渋滞等)を解消・緩和するため
と書いているように、高速と並行する一般道の渋滞解消等が目的だ。というか、高速道路を有効活用することで達成される地域の課題ってほかに思いつかないんですが。
そういった意味でいくと、今回の山形周辺の割引対象エリアは広い。東北中央道は全線、山形道も寒河江SA併設のスマートICから村田JCTまで、さらに東北道の国見ICから泉ICまでも範囲に入る。どんだけだよ。山形市周辺の一般道の混雑緩和のためなのか、R48などの交通の転換か、はたまた山形-仙台だけではなく、山形-福島という広域移動の活性化を狙ったものなのか。これは壮大な実験だなと思う。
もっとも、利用する側としてしては割とどうでもよくて、「いつ」「どこからどこまで」「どうすれば」安くなるか、というのが肝心だ。
記者発表によると、この実験は既に20日から始まっており、終了日は未定。報道では年内いっぱいは続けるようなことを言っているけどどうかな。平日の15時~17時という、帰りの通勤時間帯よりは早いけど、買い物とかでそれなりに交通量が増える時間帯が対象。入口か出口の料金所をETCでこの時間帯のうちに通過すれば3割引になるというものだ。ただし、対象距離は100kmなので、例えば山形上山ICから東北道の国見ICまで走るような場合は割引対象とならないので注意が必要だ。というか、そんな人は蔵王ICから降りてR13経由で行く気もするし、福島からR13、白石からR113を使うんじゃないかという気もするけど、まあいいや。
上にも書いたけど、これが本当に「高速道路の料金を下げる→高速道路に一般道の交通が転換される→沿道の混雑を緩和する」と教科書どおりに結果に結びつくかどうかは未知数。まず時間帯の設定からして、どういう交通を狙っているのかわからない。高速道路に転換できるのかな。非ETC車両の多いような層が大半を占めていたら、まさかこのためにETCをつけようなんて思わないはずだから、あまり転換されないんじゃないかなあ。むしろ、全時間全車種を2割引とかしたら交通量がどうなるか、っていうほうがいわゆる料金引き下げの議論に結びつくから、はるかに全国から着目されるような気がするけど、そこまで大英断を下せる人はそういないか。