CSS Nite LP6 の感想 - 僕はMTで行きます

もう1週間以上前のイベントのレビューです。出遅れというレベルではなくなってしまいました。 CSS Nite LP, Disk 6「CMSリベンジ編」に関する記事は、他のブログですばらしいレポートがいくつも上がっています。ですので、僕は以下のような感じでレポートを書いてみようかと思います。 CSS Nite LP6 のレポートで僕が読んだ記事のまとめ 僕の各製品の感想をさらっと 僕が「MT ...

CSS Nite LP, Disk 6「CMSリベンジ編」(2009年6月27日開催)

もう1週間以上前のイベントのレビューです。出遅れというレベルではなくなってしまいました。

CSS Nite LP, Disk 6「CMSリベンジ編」に関する記事は、他のブログですばらしいレポートがいくつも上がっています。ですので、僕は以下のような感じでレポートを書いてみようかと思います。

  • CSS Nite LP6 のレポートで僕が読んだ記事のまとめ
  • 僕の各製品の感想をさらっと
  • 僕が「MT がいいじゃん」と思った理由

CSS Nite LP6 のレポートで僕が読んだ記事のまとめ

各製品について分かりやすいレポート
各プレゼンについて分かりやすいレポート
全体的なレポート
その他のレポート

僕の各製品の感想をさらっと

SOY CMS

サイトやページの一部分にCMSを導入する場合に向いているかもしれないです。HTMLに少しのCMS情報を加えるだけで良いので、導入が簡単そうです。

野菜のプレゼントが良かったです。

どうでもいいことですが、「SOY CMS」の表記について、ロゴは「Soy CMS」だけどサイトの文中は「SOY CMS」なんですね。どっちが正式な書き方なのか知りたいですw

WebRelease 2

Movable Type + Power CMS for MTでいいじゃん。

WebRelease 2 は、一般のライセンスは50万円ですが、500ページを超えると追加に250万円が必要になってしまうのですね。Webサイトをマジメに運営していると、500ページというのは決して遠い数字ではないと思います。その点を考慮に入れて、300万円を払ったとしても WebRelease 2 を選択するメリットがあるのかどうかというのが知りたいところだったのですが、LP6 でのプレゼンからは何も感じませんでした。

参考までに、僕の勤めている会社で MT を導入してから1年ちょっと経ちますが、もう500ページなんて軽く超えてます。

WebRelease 2 のプレゼンにおいて、制作会社さんの事例紹介は逆にマイナスだったと思います。あの事例紹介を聞いて、「MTでいいじゃん」との感想を強めたのは僕だけではないでしょう。

※ 僕はWebRelease 2の機能を見るとき、どうしてもMovable Typeと比較してしまいます。それは、僕の勤めている会社のサイトをリニューアルしたときに、まさに WebRelease 2 と Movable Type を比較し、Movable Type を選択したという経緯があります。といっても、「CMSがどれがいいか」で選んだというよりは、全体として「制作会社さんはどこがいいか」で選んだという方が大きいですよ。

CMS Designer

プレゼンがすばらしかったです!

XSLTを書いていくという感じで、CMS Designer で得た知識は他にも流用できるのかも?と思いました。

また、日時指定公開・公開終了ができたり、ユーザー管理権限を設定できたり、ページキャッシュで静的生成とほぼ同等のパフォーマンスを実現できたりと、一般的なCMSの機能は組み込まれているようでした。

RCMS

まぼろしの小林さんによると、「情報のつながりが凄い」とのことで、オススメのCMSだそうです。

RCMS については、とにかく設計思想に力を注いでいるという印象です。MT や WordPress などのいわゆるブログ出身のツールをCMSとして使う場合には、裏側のデータの持ち方は、どうしてもブログのスタイルに依存せざるを得ないのが現状だと思います。

その点、この RCMS は、ブログ系CMSがボトムアップのアプローチであるとすれば、情報はこう持つべきというトップダウンのアプローチで設計されているのかな、という印象でした。もちろん、DB のテーブルなどを実際に見てみないと分かりませんが、このしっかりと練られた設計思想は、他のCMSとは一戦を画すような気もします。

また、パンフレットの機能を見てみると、会員制サイト、携帯サイトも簡単に作れるし、デフォルトの機能を見ただけでも至れり尽くせりって感じのCMSです。

しかし、RCMS 自体はWeb制作会社向きでなはく、Web制作会社の力を借りないで高機能なサイトを作りたいクライアント向けだという印象です。Web制作会社が RCMS を使ってクライアントにサイトを提供する場合、やる仕事と言えば CSS でデザインする事くらいっぽいです。

a-blog cms

今回のイベントで MVP を取ったのが、この a-blog cms でした。

フォーム機能、ユーザー権限別の管理、カスタムフィールド、SEOとLPO、キャッシュ機能(動的生成なので)、モバイル対応など、必要な機能はデフォルト状態で使えるようになっています。これらの機能が始めから付いているのは非常にありがといと思います。一般的なWebサイトであれば、デフォルト状態の a-blog cms ひとつでまかなえるかも知れません。

また、フォーム機能もただ付いているだけではなく、設定も簡単そうですし、その他にもブラウザごとに読み込む内容を変えることができる機能(すいません、確かこんな感じの機能です)があったりと、Web制作会社が作る CMS とうたうだけあり、かゆい所に手が行き届いている印象です。

僕も一度使ってみたいと思います。

bingo!CMS

プレゼンが最高でした!

bingo! CMS に関しては、『BiND for WebLiFE* 2』に近いという印象でした。

確かに簡単にサイトが作れてしまいそうです。個人的なサイトだったり、ガッとつくって期間限定のサイトとかであれば選択肢の一つに入るかも知れません。

Jimdo

こちらは、見たままの画面で編集できるというのが売りのようです。良いとか悪いとかではなくて、僕は今のところ惹かれませんでした。

Power CMS for MT

やっぱ、これです。この「Power CMS for MT」があれば Movable Type をかなり高機能の CMS として使う事ができると思います。

Movable Type に真剣に向き合って勉強しておけば、そのドキュメント類の豊富さから、自分でもある程度のことはできるようになると思います。そして、規模が大きくなったときには「Power CMS for MT」があるので、可能性はさらに広がります。

安易な考えではありますが、Movable Type を使いこなせるようになっていれば、幅広い規模の案件をこなせることになり、「食っていける」可能性が高いのかな、と思います。

僕が「MT がいいじゃん」と思った理由

さて、今回のイベントには、「MTに変わるCMSはあるのか」という主旨もあったと思います。プレゼンテーターがMTと自分の製品を比較をしていたことからも明らかです。

そして、それに対する僕の答えは、野田さんじゃないですけど「MTでいいじゃん」、いや「MTいいじゃん」です。

ここからは僕が Movable Type 好きということもあるので「MTびいき」に書きます。

MT の取り扱える案件の幅の広さは武器だ

Movable Type は、小規模サイトから大規模なサイトまで、取り扱える案件の幅が広いと思います。無料で使える MTOS があるため予算の取れない小規模なサイト制作にも使えますし、Power CMS for MTがあるため大規模なサイトのCMSにも使えると思うからです。

また、僕の勤めている会社の CMS に Movable Type を導入してから、実際に企業ユースにもなんの問題もなく耐えうることを体感しています。

「再構築」は MT の欠点ではなく武器だ

Movable Type と WordPress が比較されるとき、MT の欠点として「再構築」する必要がある点があげられることが多いと思います。僕は「再構築」は MT の欠点ではなく武器だと思います。

トラフィックの多いサイトだと、WordPress のようなダイナミックパブリッシングで運営する場合はそれなりのスペックのサーバーを用意しなければなりません。しかし、MT をスタティックパブリッシングで運営する場合は、ダイナミックパブリッシングのものよりもサーバーのスペックは落とせると思います。それは、ランニングコストを抑えられる事を意味します。

また、MT のテンプレートでは、かなり自由な条件分岐が行えるので、ダイナミックパブリッシング並の柔軟なサイトが作れると思います。

さらに、MT の場合は、テンプレートごとにスタティックかダイナミックか選択できます。「動的」タイプのCMSが最適か「静的」タイプのCMSが最適かで迷う必要がありません。

話はそれますが、「再構築」という言葉だとなんだか堅くてマイナスに取られがちなので、「保存してページを公開」みたいにすれば良いのではないかな、なんて思うこともあります。極端な場合は「SEO対策中」ですみたいにしちゃうとかw

MT のドキュメントの豊富さは武器だ

Movable Type について勉強したいと思ったとき、ちょっと書店に足を運べば、かなりの数の本がならんでいます。また、Google で検索すれば、大抵の解決策は見つかります。Six Apart のWebサイトにもたくさんの情報が公開されています。これらの日本語ドキュメントの多さは明らかに武器です。

また、最近では『Movable Typeプラグイン開発入門』や『Movable Type Developer's Guide Volume 1』があるので、MT でできることがかなり広がっています。

MT タグは本当に難しいのか

Movable Type は豊富なテンプレートタグによって様々なことができます。しかし、その MT タグが難しいため挫折してしまう、という話もよく耳にします。

しかし、MT タグは本当に難しいのでしょうか? 僕の答えは、「確かに難しいかもしれないが、挫折するほどではない」といったところです。

最初からMT タグを全部覚えて、スラスラ書けるようになろうと思ったら挫折しちゃうと思いますが、そんな必要ないでしょう。HTML や CSS だって、最初は難しいと思ったけど、本を片手に調べながら使っていくうちに慣れますよね。MT タグだってそれと同じです。『Movable Typeテンプレートタグ虎の巻』を片手に書いていけばいいのだと思います。ちなみに僕も偉そうな事を言えるレベルではありませんが。。。

MT だって一部分だけをCMS化できる

LP6 の各製品のプレゼンの中で「ここだけCMS化したいときに便利」みたいな説明が何度かあった気がしますが、MT でもそれは可能、というか全く問題ないです。なので、それについては他社のCMSのメリットにはならないでしょう。

MT でできることの広さは武器だ

サイトの運営していく中で「やっぱりここはこうできないかな」という要望は必ず出てくると思います。Webサイトは「生もの」なんですね。だからある時点でのBESTは常にBESTであるとは限らないと思います。そういう場合にも Movable Type はほぼ対応できます。

MT では、テキストベースのファイルであれば何でも出力できますし、管理画面だってカスタマイズできます。テンプレートで複雑な条件分岐もできます。ある意味何でも出来ちゃうんですね。

まとめ

以上、いろいろと偉そうに書きましたが、上記の理由から、僕は「MTがいいじゃん」って思います。

もちろん、MTだけに固執する必要はないでしょう。クライアントに提案できる駒は多い方がいいかもしれません。理想を言えば、すべてのCMS、すべての言語、もっと言えばすべての事柄のスペシャリストであれば最高ですよね。でもそれは無理ですから、絞っていくしかありません。「広く浅く」の方向に行くにしたって、浅すぎる知識では使えませんので絞らざるを得ません。そのとき、やっぱり仕事としてやるのであれば「食べていける」ものに絞った方がいいですよね。MT はその一つだと思います。

だから「MT がいいじゃん」。

以上です。

Published 2009-07-06
Updated 2019-06-25