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2013年07月01日 20:39
もの凄いテープがアフリカからやってきた / Hailu Mergia & His Classical Instrument
オウサムオウサム。
エチオピア人のアコーディオン/キーボード奏者Hailu Mergiaが1985年にリリースした多重録音アルバムが、アフリカのカセットテープを再発するレーベルAwesome Tapes from Africa(これがレーベル名)から再発。
まさにアフリカからやってきた凄いテープです。ポコポコしたリズムボックスに乗せて、エレピとシンセベースが同じフレーズを繰り返し、アコーディオンがドラクエ3のピラミッドの面のようなメロディをピロピロと放出し続けます。全曲が上の2曲のような調子です。実にオウサム。
Hailu Mergiaさんは元々Walias Bandというジャズファンクバンドのメンバーで、70年代にはエチオピアンジャズのシーンで有名なヴィブラフォン奏者のMulatu Astatkeと一緒に共演していたような人物だそうです。そのWalias Bandがエチオピアの政治情勢の影響などあって解散し、その後、80年代前半に別のバンドを結成してアメリカツアーをした際に、ワシントンDCのスタジオで一人多重録音したのが、この不思議な音のアルバムというわけです。ライナーノーツによると、今は音楽業界からは足を洗って、空港でタクシーの運転手をやっているというHailu Mergiaさん。しかし、今でも演奏の腕は磨き続けていて、録音も続けているそうです。
この作品を再発したAwesome Tapes from Africaというレーベル、自分は今回の作品で初めて知ったのですが、これまでにも5枚の作品をリリースしていて、これが6作目。アメリカのレーベルです。イベントの映像をネットで中継してることで知られるBoiler Roomで6月に放送された南アフリカ出張スペシャルで、Awesome Tapes from Africaの人がカセットデッキ2台を駆使してオウサムなDJをやっていました。再生中のカセットテープのジャケットをカメラに向けて立てる様子が最高にクールです。このスタイルで演歌のDJやったら格好いいでしょうね。
■ 追記:2014/6/4
YouTubeにHailu Mergiaの近況を撮影した動画あったので貼っておきます。タクシーの後部座席でキーボードを演奏している姿に震えます。
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Review : 2013年07月01日 20:39
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