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2010年07月19日 00:31
噂の電子キューブ楽器「Reactable」を使った3組のライブ動画
製品化はまだか。
まず「Reactable」とは。
■ ビョークも愛用のテーブルトップ電子楽器 reactable、製品化へ(Engadget)
reactableは、テーブル上のオブジェクトを回転/移動させることで自由に楽曲を作れるシンセサイザーです。ループ音源、オシレータ、フィルタなどさまざまな機能を持ったオブジェクトが存在し、オブジェクト同士を近づけることで音源をミックスしたり、エフェクトを追加することができます。
上の記事は一年ちょっと前のものです。記事の書かれた当時は、動いているReactableの映像をYouTubeで探しても、上の動画のような、展示会で客がなんとなく触っているだけの動画や、エレクトロニカっぽい実験的な音を鳴らしている動画など、いかにもデモンストレーション的な映像が主でした。それが最近になって、Reactableを使ってしっかりとパフォーマンスしている動画がいくつか出てきていて、Reactableで具体的にどういうことが出来るのか、わかりやすくなってきました。
以下に3組のライブ動画をピックアップしました。
■ Ré@cStable
Reactableを使って今風なエレクトロハウスを演奏する2人組。屋外フェスっぽい方の映像では、ステージも会場もやたら盛り上がってます。チラっとパソコンの画面が映像に映っていて、ソフトはableton Liveです。ReactableはMAX/MSPを使って動かしているという情報があるのですが、Liveでも使えるとなると、MIDIインターフェイス的にどの市販のソフトでも使えるのかもしれません。比較すべきはYAMAHA「TENORI-ON」や、NOVATION「Launchpad」あたりになるのでしょうか。最後の動画は、巨大なKaossPadのようにテーブルを使っているようです。
■ The Maneken
ザ・マネケン。少々大袈裟な衣装を身にまとって、少々大袈裟な身振り手振りで天にかざすのは、マネケンのベルギーワッフル、くらいのサイズの電子キューブです。やってることはかなりわかりやすいですが、音からReactableらしさがあまり感じられないのが残念です。
■ Carles López
やはり真打はCarles Lópezです。Carles LópezさんはReactableの開発初期から世界各地を飛び回ってデモンストレーションを繰り広げている、Reactableの伝道師のような人物です。さすが、相当使いこなしています。サイコロを振るようにドサっとキューブを転がすと、キックドラムの音がドカドカ鳴り出すのには興奮します。間違いなく現時点で世界一のReactableの使い手でしょう。
さて、肝心のお値段ですが、Reactableのサイトを見ても、どこにも値段が載っていません。ですが、メールで値段を問い合わせた人がいて、その人のブログにReactableの開発者からのメールが転載されています。
■ Tangiable Fidicial Blocks(Making the Reactable Happen)
we produce them ourselves, we can sell you a Reactable set if you're interested. The price of a full set is €400,- If you need more information let me know.
このブログは「自分なりにReactableを作ってみる」というちょっと特殊なコンセプトのブログなので、あまり参考にならないかもしれません。「フルセット」が400ユーロというのは安すぎる気がするのですが、これはキューブだけの値段なのかもしれません。このブログのこのメールの引用だけでは、ちょっと判断は難しいです。
いずれにせよ、打ち込み音楽のライブパフォーマンスの未来形がはっきりと示された、このReactableを使ったライブ動画の数々。製品化がますます楽しみとなりました。
■ 追記:10/10/08
製品化よりも先にiPhone/iPadのアプリ版「Reactable mobile」が登場しました。
あのキューブの実物を触ってこそ、という気もしますが、動画を見るとこれはこれでとても楽しそうです。お値段は1200円です(→ITunesStore)
■ 関連サイト
News : 2010年07月19日 00:31
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