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CloudStack再入門!
15分でおさらいするCloudStackの基礎
2014.7.4@CloudStackユーザー会 in 名古屋
島崎 聡史
自己紹介
• 島崎 聡史(しまざき さとし)
• Twitter:@smzksts
• CitrixでSEをしています
→ Cloud専任ではない
• → Virtual Desktop(仕事) × Cloud(趣味)
• 日本CloudStackユーザー会 副会長
• 自宅SAN友の会 主催
• 東京23区でヤギを飼うITインフラエンジニア
Agenda
• CloudStackとは
• 成り立ちなど
• 特長は?
• 何ができるの? ~ユーザー視点と管理者視点で~
• CloudStackのアーキテクチャ
• どんなモジュールで構成されているの?
CloudStackとは
• 正しくは “Apache CloudStack”
• 元はCloud.comの商用プロダクト
• 2011年にCloud.comをCitrix Systemsが買収
• ソースコードをOSSとして完全公開し、
Apache Software Foundation(ASF)に寄贈
• IaaSを作るためのソフトウェア
• IaaSクラウドを提供するための様々な機能を
ハイパーバイザーを上手にコントロールして提供
特長は?
• 日本語にも対応したWeb GUI
• マルチハイパーバイザー対応
• モノリシックなアーキテクチャで完成像が明確
• Load Balancing, Firewall, VPNなどの
ネットワーク機能を標準でユーザーに提供可
• VMのコンソールにアクセスできる
何ができるの?~ユーザー視点で~
• インスタンス関連
– インスタンスの作成/削除
– コンソールアクセス
– VMスナップショット
– ボリューム管理
– ボリュームスナップショット
– テンプレート
– ISOイメージ
– アフィニティグループ
• ゲストネットワーク関連
– 仮想ネットワークの作成/削除
– NAT、負荷分散の構成
– ファイアウォール、セキュリティ
グループ、ACLの構成
– リモートアクセスVPNの設定
– サイト間VPNの設定
• その他
– 簡易的なリソースモニタリング
クラウド環境では、ユーザーは物理インフラに対して関与しない
何ができるの?~管理者の視点で~
• ユーザーができる操作全般
• アカウントの管理
– ドメイン、アカウント、ユーザー
– ドメインやアカウントへの
リソース制御
• インフラの管理
– ハードウェアリソース量の確認
– ハードウェアの追加、削除
– IPアドレス、VLAN IDの確保
• 提供するサービスの管理
– 計算リソース
– ディスク
– ネットワーク機能
• CloudStack自体の管理
– 管理サーバー
– システムVM
– データベース
etc…
個々のVMの展開や管理はユーザーに任せ、サービス提供に専念
8
XenServer
VMVM
VMware
ESXi
VMVM
KVM
VMVM
Hyper-V
VMVM
vCenter
セカンダリ
ストレージ
プライマリ
ストレージ
プライマリ
ストレージ
プライマリ
ストレージ
プライマリ
ストレージ
ISOイメージ、テンプレート 、
ボリュームスナップショットを格納
仮想HDD
を格納
Agent Agent
CloudStack
管理サーバー
Web UI
CloudStack 管理アーキテクチャー概要
• ホスト
• CloudStack管理下のハイパーバイザー
• プライマリストレージ
• 仮想マシン(仮想HDD)用のストレージ
• クラスタ
• ホストとプライマーストレージをまとめた単位
• ポッド
• 同一管理ネットワークセグメント上のクラスタを
まとめた管理単位。ラック単位を想定。
• セカンダリストレージ
• テンプレート、ボリュームスナップショット、ISO用のストレージ
• ゾーン
• ポッドとセカンダリストレージをまとめた管理単位。
データセンター単位を想定。
• リージョン
• 複数のゾーンをまとめた管理単位。
• 地域単位を想定。
CloudStackのコンポーネントと用語
ゾーン
ポッド
クラスタ
ホスト
ホスト
プライマリ
ストレージ
VM
VM
ポッド
クラスタセカンダリ
ストレージ
ゾーン
ゾーン ゾーン ゾーン
Japan
リージョン
US-WEST
リージョン
2種類のネットワークアーキテクチャ
65.11.1.2
Guest VM
1
Guest VM
2
Guest VM
3
Guest VM
4
65.11.1.3
65.11.1.4
65.11.1.5
DHCP
DNS
仮想
ルーター
セキュリティグループ1
セキュリティグループ2
パブリックネットワーク
(インターネット)
基本ゾーン および 拡張ゾーン Shared Network
(セキュリティグループによるL3でのテナント隔離)
ゲストネットワーク
10.0.0.0/24 VLAN 100
ゲートウェイアドレス
10.0.0.1
DHCP,DNS, NAT,
LB, FW, VPN
Public IP
65.37.141.11
10.0.0.2
Guest VM
1
10.0.0.3
Guest VM
2
10.0.0.4
Guest VM
3
拡張ゾーン Isolated network
(VLANによるテナント隔離)
仮想
ルーター
パブリックネットワーク
(インターネット)
仮想
ルーター
10.0.0.1
10.0.0.0/24 VLAN 101
10.0.0.2
Guest VM
4
仮想
ルーター
10.0.0.1
10.0.0.0/24 VLAN 102
10.0.0.2
Guest VM
5
Public IP
65.37.141.12
Public IP
65.37.141.13
VPC (Virtual Private Cloud)
拡張ゾーンで利用可能な多階層ネットワーク機能
• 1つの仮想ルーター配下に複数のゲストネットワークを構成可能
• ACLにより各Tierに対する通信可否の制御が可能
• サイト間VPN機能も利用可能
WebServer Tier
Web-1 Web-2
Application Tier
App-1 App-2
Database Tier
DB-1 DB-2
Internet
Virtual Router
for the VPC
VLAN 110
VLAN 120
VLAN 130
パブリック
ネットワーク
システムVM
CloudStackのアーキテクチャを支える仮想アプライアンス
• セカンダリストレージVM
– セカンダリストレージに対するデータの出し入れを仲介
• コンソールプロキシVM
– インスタンスのコンソールにVNC接続するためのプロキシ
• 仮想ルーター
– CloudStackの多彩なネットワーク機能を提供
• ルーター、負荷分散、ファイアウォール、VPN……
まとめ
• CloudStackは管理サーバーとシステムVMが
連携してIaaSクラウド環境を提供する
• 利用者はインスタンスと仮想ネットワークを
オンデマンドで利用できる
• 管理者はインフラ、アカウント、サービスを
管理し、個々のVMの管理からは解放される

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