UX論のエントリへの反応など徒然と。

「Cloud First Architecture 設計ガイド」(AA)の著者の鈴木雄介さんが、前回、前々回のエントリで自分の伝えたかったことを簡潔にまとめてくださいました。

また、kent4989氏にエントリで言及して頂きました。

agnozingdays.hatenablog.com

両者ともに、こちらの意図を汲んで頂き感謝です。
また、Twitterでは@kyon_mmさん、@nobkzさんにいろいろと教えて頂きました。ありがとうございます。

基本的にはkent4989氏が指摘されるように「サービス設計者は、各自しっかりと倫理観に基づいて業務に当たってください」という話ではあるんですよ。
しかし、サービス設計者は「利益を上げる」と「倫理に基づく」という相反する概念の板挟みにあり、業務の報酬は(基本的には)「利益を上げる」ことに対する対価の側面が強い傾向は否めないと思います。
従って、設計者が「事業者に指示された」「ユーザーの不利益は事業者の責任であって、設計者は関係ない」というダークサイドに落ちる可能性も当然あるわけです。ソーシャルゲームのガチャへの高額課金のような社会問題が現れてきている現状に対して、「それはユーザーの問題であり、設計に不備はない」という主張は、そういったダークサイドの表出だと思います。

一方で、UX論をそこまでの責任があるものとして扱う必要があるのか、という話は当然あるわけです。鈴木さんは「UXはただのツールという答えもあり」と書いてますし、自分も「もちろん法への対処は事業者が行うべき問題であり、UXデザイナーはUXを考えるから法律については事業者の法務部で検討してください、ということも可能」と書いています。設計行為の一部としてUX論を取り扱うこともできるわけです。

しかし、この書き方にはどこか突き放した印象を受けるのではないかと思います。そこの意味をどう言語化したらよいのか、なかなか難しいのですが…。
一応、Twitterに少し書いたのですが、非常に分かりにくいのですよね…。

個人的に、ポジティブな面しかないUX論というのは、アイデア集でしかないと感じているわけですが、うーん、どう伝えたらよいか難しい。
このあたりはまた時間のある時にでもまとめられればと思います(すみません)。

「か・かた・かたち」についてはこの本を参考にどうぞ。