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たとえ血が流されたとしても、ボクたちはまず落ち着こう

2012年9月18日(火) 8:07:28

今日9月18日は、満州事変につながる柳条湖事件が起こった日で、中国にとっては特別な日だそうだ。折しも反日デモは(一部暴徒であるとはいえ)激化し、尖閣諸島には1000隻もの中国漁船が押し寄せようとしている。

今日、どちらかの不注意もしくは故意で、不幸にもどちらかの国民の血が流されてしまうかもしれない。
もしくは、愛国心に燃えた誰かが相手方の要人を殺傷してしまうかもしれない。中国だけでなく、日本にもその可能性がある。国民みんなが激昂して騒げば、その勢いに乗って、日本人にそういう輩が出てこないとも限らない。

そうなれば完全に「有事」だ。一触即発の事態となる。

だから、ボクたちは、落ち着こう。
興奮せず、激昂せず、理性的に受け止めよう。

過去の戦争の多くは、ひょんなことから始まっている。
小さな事件が発端で、悪感情に火がつき、国やメディアに煽られ、いつの間にか民意が激昂し、一気に戦争に発展したりする。

占領下とはいえ平和を長く享受した我々には想像しにくいことではあるが、軽い気持ちで騒いだり煽ったりしていると、あっという間に「まさかの戦争状態」に突入することもあり得るのである(アメリカが介入するとは思うが。でも)。

だからこそ、今日、何があってもまずは落ち着こう。
興奮せず、激昂せず、感情的な言葉を不用意に発さず、いったん座ってゆっくりコーヒーでも飲んで、遠くの空を眺めよう。

浅ましい一部メディアが大騒ぎするかもしれない。

理性と誇りを持って、スルーしよう。
彼らは大戦争前もそんな風に煽ったのだ。

そして家族や友人に「まずは落ち着こう」と伝えよう。

こういうことは政府と軍がすべてを決めるから、個人の想いや行動なんて無意味だ、と考える人もいる。

でも、ボクたちは無力ではない。

民主主義のもと、個人の命=たった一票、と刷り込まれてきているが、そんなことはない。

ボクたちはいまやもっと大きな影響力を持っている。

ボクたちはつながっているのだ。
フェイスブックの発表によると、一人当たり世界平均で約130人の友人・知人とつながっているそうだ。

あなたがその130人に伝える。
その言葉をそれぞれが友人・知人130人ずつに伝えてくれれば、それですでに130人×130人=16900人だ。

その16900人が130人ずつに伝えるだけで、219万7000人。その219万7000人が130人ずつに伝えると、2億8561万人。

たった4階層で2億8千万人。
単なる数字の遊びではあるけれど、でも、あなたの横にいる友人は「軽い気持ちで騒ぎ煽ってしまう人」かもしれないし、もしかしたら「ひょんなことから戦争を始めるきっかけを作ってしまうその人」であるかもしれない。あなたが伝えることで、その友人が思いとどまるかもしれない。

そういう「自分の友人・知人に伝える積み重ね」が「世論が沸騰すること」を防ぎ、事態をより悪化させることを防ぐ。

(ただでさえ不安を感じさせる)日本政府も、感情的世論に引きずられずに冷静な判断を下せる可能性が上がる(いま世論が沸騰すると、選挙前の政府がどう影響されてしまうかわからない)。

だから、今日。
ボクたちは落ち着こう。

何が起こっても、いったんコーヒーでも、めっちゃうまい自家製ジンジャーエールでもいいから飲んでw、空を見上げて落ち着こう。

今朝は祈るような気持ちでいます。



昨日、フェイスブックで広く拡散した中国国内からの中国人(Hao Liさん)の声。フェイスブックじゃないところにまとめられていたので共有します(フェイスブックだと読めない方もいるので)。読んでください。

※※
今朝のやまもといちろうブログ「中国に対して理性的な態度を取るといっても、どう取ったらいいのか分からない人のために」も共有しておきます。必読です。

※※※
あらためて書くまでもないけど、外務省の「尖閣諸島に関するQ&A」にもリンクしておきます。家族とか友人とか外国人とかから「で、実際、日本の主張はどうなってるの?」とか聞かれたときのために、読んでおきましょう。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、[email protected] まで。

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