山田洋次監督(85)がオリジナルの書き下ろし脚本を手掛けた前進座公演「裏長屋騒動記」(東京・国立劇場で5月11〜22日)の製作発表が21日、東京都内で行われた。落語「らくだ」「井戸の茶碗」をもとに江戸の長屋の騒動を描く喜劇。
前進座と初タッグとなる山田監督は「長屋の民衆の世界と侍の世界をクロスさせ、その面白さを際立たせて描いた。長屋に現れる悪いやつとか気取った侍とかいろんな人たちを長屋の人たちの視線でみると、おかしかったりバカバカしかったり。それが笑いになれば」と話した。
主人公、紙くず屋の久六を演じる嵐芳三郎(52)は、山田監督が「芳三郎くんは二枚目とかキリッとした侍の役が多いから久六のイメージじゃない」という話を耳にしていたという。その後、監督と会ったものの、「監督が(関係者に)『直に会ってみるとあまり二枚目じゃないんだね』とおっしゃっていたそうです」と笑わせ、「山田監督の脚本に素直に入れば、お客さまは自然に笑っていただける」とコメントした。