株価の予測は可能なのか-。この難題を、インターネットなどで集めた膨大な情報を分析する「ビッグデータ」を活用して解きほぐそうという試みが始まっている。NTTデータは短文投稿サイト「ツイッター」のつぶやきから株式市場のムードの変化をとらえる指標を開発。ネット証券大手のカブドットコム証券も「リアルタイム株価予測」というサービスを始めている。高度情報化時代の先端技術は、投資のあり方を根底から変える可能性を秘めている。(高橋寛次)
米ツイッターと契約しているNTTデータは、日本語での全投稿を活用できる。同社は、過去3年分の数百億件の投稿から、日経平均株価採用銘柄の社名や略称、「日経平均」「市場」などの言葉が含まれるつぶやきを抽出。その中から、ポジティブまたはネガティブな言葉が含まれているつぶやきの数をみた。例えば「日経平均でもうかった」「今の株式市場はひどい」などを対象とした。
その結果、全体に占めるネガティブなつぶやきの比率の増減などが、投資家が見込む株価の変動の大きさを示す指数「日経平均ボラティリティー・インデックス」と相関性が高いことが認められた。指標を共同開発したNTTデータ数理システムの鍋谷昴一主任研究員は「つぶやきの数を詳しく見ていくことで、株価を下げる出来事があったときにその余韻の大きさなどをみる手がかりになり得る」と説明する。