インタビューに答える中原伸之元日銀審議委員【拡大】
世界最先端の金融理論と実践が必要
安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」が注目を集める中、安倍首相の金融政策に関するブレーンの一人、中原伸之元日銀審議委員がフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、次期日銀総裁に求める資質などについて語った。(尾崎良樹)
--安倍首相が掲げる「大胆な金融緩和」が市場に好感されている
「先の衆院選で、国民が15年にわたるデフレから脱却したいと立ち上がった。中央銀行の政策が選挙の争点になることは世界でもまれだろうが、日銀はその『国民投票』で完敗した。特に、2008年秋のリーマン・ショック後、世界で金融緩和競争が行われてきたのに日銀は取り残されていた。こうした現状に国民の怒りが爆発した」
--日銀の問題点は
「日銀の金融政策がうまくいったかどうかは、物価の安定のみならず景気・経済が良くなったかというのが判断基準だ。特にリーマン・ショック後は信じられないような急速な円高がもたらされた。日本の輸出産業があわや総崩れになる危機一髪のところまできていたわけだ。でも日銀にはまったく責任感がなく、『国民投票』に敗れたという意識すらない」