英国とドイツの両財務相が、コーヒーチェーンのスターバックスやIT企業の雄、アップルなど、米国に本社を置く巨大多国籍企業の行き過ぎた租税回避行為に対抗するため、国際協力体制の構築を呼びかける異例の共同声明を発表した。
欧州では、債務危機の深刻化で緊縮財政を余儀なくされ、増税や社会保障費のカットを行う国も少なくない。このため、商品を販売した国で税金を納めようとしない多国籍企業への不満が一気に高まっている。
利益分散し、法人税ゼロに
共同声明を発表したのは、英国のジョージ・オズボーン財務相(41)とドイツのウォルフガング・ショイブレ財務相(70)。
11月5日付英紙デーリー・テレグラフによると、2人は「国際的な課税体系は、電子商取引の拡大といったグローバルなビジネスの活発化で変わらざるを得ない状況にある」としつつも、「英国とドイツは法人税率の引き下げで多国籍企業を誘致するなど、競争力のある法人税制を目指すが、多国籍企業には営業活動を行っている国で納税してもらいたい」とくぎを刺した。