消費増税はお手本通りの失敗
「長期的に、アベノミクスは日本の財政破綻を招く」という批判が一部にあるが、話が全く逆だ。経済成長を実現し、全体のパイを大きくして税収を増やさないと財政再建はできない。
歴史を振り返ってみても、デフレ不況から脱却しようとする政府は、世の中に出回るお金の量を増やす「金融緩和」と、公共事業などで政府の支出を増やす「財政出動」の両方を行うポリシーミックスという経済政策をとってきた。
たとえば戦前の世界大恐慌時、日本は高橋是清蔵相が金利の引き下げや日銀による国債の直接引き受けに加え、積極的な財政出動を行う「高橋財政」により、いち早く景気回復を遂げた。
アベノミクス第一の矢は金融緩和、第二の矢は財政出動であり、デフレ対策としては定番の政策。まさにアベノミクスは歴史から積極的に学び、その知恵を政策に活かそうとしている。