伊藤忠商事は5日、茅野みつる法務部長代行(46)が4月1日付で執行役員に就任する、と発表した。女性の執行役員はNTTドコモや日産自動車などで例があるが、大手商社では初で、伊藤忠としても最年少の執行役員。
茅野氏は米法科大学院を修了後、米国法律事務所勤務から、2000年にキャリア採用と呼ばれる中途採用で伊藤忠に転身。4月からは法務部長に就任する。
大手商社の収益の源泉が貿易から事業投資にシフトする中で、社内弁護士として資源投資や、昨年に資本参加したフィンランドのパルプ大手のメッツァファイバーなど大型M&A(合併・買収)で手腕を発揮した実績が評価された。
茅野氏は、05年には世界経済フォーラム(ダボス会議)の「ヤング・グローバル・リーダーズ」にも選ばれ、国際的に活躍する若手リーダーとしても折り紙付き。世界のNPO法人や経営者とのネットワークも広げた。また、社内の人材多様化に関するプログラム推進や、先輩社員が新入社員をサポートするメンター制度導入に一役買うなど人事部門にも新風を巻き起こした。