日本の宇宙産業が反転攻勢 三菱電機の強み、“現場力”で課題克服 (1/7ページ)

2015.2.23 06:40

鎌倉製作所で組み立て中のだいち2号。上部に搭載されているのが折り畳まれたレーダーアンテナ「パルサー2」=神奈川県鎌倉市(JAXA提供)

鎌倉製作所で組み立て中のだいち2号。上部に搭載されているのが折り畳まれたレーダーアンテナ「パルサー2」=神奈川県鎌倉市(JAXA提供)【拡大】

  • 2013年3月に完成した鎌倉製作所の新生産棟。年間8機の衛星を製造できる=神奈川県鎌倉市

【世界へ 日本テクノロジー】三菱電機の宇宙事業(1)

 衰退の危機が叫ばれてきた日本の宇宙産業が反転攻勢に出ようとしている。政府が1月に今後10年の新宇宙基本計画をまとめ、関連産業の再強化を打ち出すなか、各メーカーは国内で積み上げた実績を海外での受注拡大にもつなげようと意気込む。1960年代から人工衛星や大型望遠鏡を開発・製造してきた三菱電機もそうした企業の一つ。持ち前の高い品質や信頼性で海外メーカーとの競争を勝ち抜き、宇宙産業を新たなお家芸にするための先兵となる覚悟だ。

 神奈川県鎌倉市の三菱電機鎌倉製作所。2年前に30億円をかけて建設された人工衛星の新生産棟では、来年打ち上げ予定の気象衛星「ひまわり9号」などが組み立てられていた。

 新棟は延べ床面積約7800平方メートルの6階建て。1~4階が吹き抜けになっていて、大型衛星の組み立てにも対応できる。既存の生産棟とは棟続きになっているため、製造段階ごとにスムーズに移動させ、空いたスペースを有効活用することも可能だ。これにより、既存棟と合わせた生産能力は年8機に倍増した。

「宇宙空間での運用を想定したあらゆる試験が行える」

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