小売りや外食、食品メーカー各社で、食材を国産に切り替える動きが強まっている。7月に起きた中国食品会社の期限切れ鶏肉問題などで、消費者の食材に対する安全意識が高まっているためだ。またデフレ経済からの脱却が進む中、価格が少し高くても安全でおいしいものを求める消費者が増えており、そのニーズに応えるために国産化を進める企業も増えている。
大手スーパーのイトーヨーカ堂は19日まで、国産農作物の消費拡大に向けたフェアを全国165店舗で開催する。15日に行われたフェア告知のキャンペーンで、戸井和久社長は「2020年の東京オリンピックに向け、国産食材を使った新しい和食メニューの提案を進める」方針を説明した。特に「国産化で、生産者を明確にすることができ、商品の安全性などを高めることができる」として今後も国産化を進める考えを明らかにした。
中華料理チェーン「餃子の王将」を展開する王将フードサービスはすでに、香辛料以外のギョーザの材料をすべて国産に切り替えた。10月から価格を引き上げたが、国産化メリットを強調し消費者離れを防ぐ戦略だ。