経営再建中のシャープが韓国サムスン電子と資本提携する。サムスンから100億円前後の出資を受け入れるものだが、「シャープの技術は二流」(サムスン関係者)とまで言い放つ宿敵と手を結ぶシャープの真意は…。今秋には2千億円の社債の償還が迫る中、財務体質の強化という意味では半歩前進だが、関係者の間では「なりふり構わぬ支援を取り付けても、経営が上向くとは思えない」との厳しい声が聞こえてくる。(島田耕)
手段も選べず、追い詰められる
「相手が宿敵かどうかなど関係ない。シャープの財務状況は、そこまで追い詰められているのだろう」
家電業界を担当するある証券アナリストは、シャープとサムスンの資本提携についてこう推測する。
その上で「経営不振からワラをもすがる思いで台湾の鴻海精密工業と結びつきを作ったものの、結局うまくいきそうにない。そんな背景もあり、シャープは手段を選べない状況下だ」と指摘する。