趣味は金融政策。総裁になってから、献本を含む贈り物は全て返送した。ウォール街で有名な渉外事務所で娘が働いていたため、ニューヨークを訪れるのを楽しみにしていたという。真面目で温かい人柄は、世界の中央銀行のパートナーや経済学者の仲間内で慕われていた。
来月の辞任を発表した、日銀の白川方明総裁のことである。米経済テレビ番組に急遽(きゅうきょ)出演したシンガポール銀行のエコノミストは「やりたくもないインフレ政策を取らされるのだから-。恥をかかされるぐらいなら辞める、ということだろう」とコメントした。
退場歓迎する市場
このように慕われている白川総裁だが、市場は退場を歓迎した。米著名シンクタンク、外交問題評議会(CFR)では日本経済がテーマになると、「日銀はデフレ・ターゲティングしている」「他の中央銀行に比べ及び腰」と批判されていた。