タンポポからタイヤ生産 ブリヂストン、天然ゴムの取り出しに成功

2012.5.18 05:00

米オハイオ州の農園で栽培されているロシアタンポポ(ブリヂストン提供)

米オハイオ州の農園で栽培されているロシアタンポポ(ブリヂストン提供)【拡大】

 ブリヂストンは17日、「ロシアタンポポ」と呼ばれる多年草から、タイヤの主原料となる天然ゴムを取り出すことに成功したと発表した。2014年にタイヤの試作品を作り、20年以降の実用化を目指す。天然ゴムの高騰が止まらない中、複数の原料を確保することで資源の安定調達を図る。

 ロシアタンポポの原産地はカザフスタンやウズベキスタンで、現在は研究用として米国やドイツ、東欧などで栽培されている。ブリヂストンは10年から米オハイオ州の産学連携プロジェクトに参加。独自の精製技術を生かして、ロシアタンポポの根の部分から、天然ゴムの原料であるパラゴムノキと同等の強度がある天然ゴムを取り出した。ブリヂストンのタイヤ材料開発第1本部の小沢洋一フェローは「積極的に資源の循環利用や再生可能資源の利用拡大を図っていきたい」と話す。

 パラゴムノキは生産地の9割が東南アジアに集中しているのに対し、ロシアタンポポは主に温帯地域に自生する。実用化に向けては生産性の向上が課題となるが、活用は生産地の一極集中の緩和にもつながるとして期待が高まっている。

 ブリヂストンは、すでに「グアユール」と呼ばれる多年草からも天然ゴム成分を採取する研究を始めており、天然ゴムの供給源の多様化を加速させていく構えだ。


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