【北京=川越一】中国政府が支援する中国軍控・裁軍協会の●徳泉研究員は6日、北朝鮮が実施したとする水爆実験について、大型の原子爆弾を爆発させた可能性を指摘し、北朝鮮の水爆保有に懐疑的な見方を示した。中国共産党機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報(電子版)が同日、伝えた。
●氏は同紙に対し、「現在、北朝鮮の核技術について、どのようなレベルに達しているのかははっきりしていない。かつてわれわれは、仮に北朝鮮が水爆保有を肯定したとしても、北朝鮮は水爆を製造するレベルは備えていないと認識していた」と述べた上で、「今回、北朝鮮が水爆実験を実行したと宣言したとしても、大型の原子爆弾を爆発させた可能性がある」と主張した。
さらに、「原爆から水爆に至るには技術上、大きな飛躍が必要だ。外部からの援助がない状況で、北朝鮮が水爆実験を成功させるとは信じられない。北朝鮮の現在の工業製造レベルでは、おそらく(水爆を製造できる)レベルに達していない」との認識を示した。北朝鮮が水爆実験を装う目的については、「世界を震撼(しんかん)させ、目を引くためだ」と分析した。
中国地震局は実験が実施された同日午前10時ごろ、マグニチュード(M)4.9の揺れを観測した。同紙によると、同規模の地震は理論上、TNT火薬2万2000トンの爆発に相当するという。