台湾、産地証明で譲歩 輸入全面停止は回避 日本食品規制強化で 

 【台北=田中靖人】台湾が東京電力福島第1原発事故後に導入した日本の食品輸入規制を15日から強化する問題で、食品薬物管理署(FDA)は14日夕、全食品を対象に求めていた都道府県別の産地証明について、日本国内で取得できる既存の証明書を提出すれば問題ないと発表した。

 植物検疫証明書や衛生証明書、商工会議所の証明書などに都道府県名が記載されていれば、産地証明と認定される。

 日台双方の窓口機関による13日の協議では産地証明の様式で合意できず、15日からの輸入停止は不可避とみられていたが、台湾側が直前に妥協し、最悪の事態を回避した。日本や域内の輸入業者、消費者からの批判に配慮したとみられる。

 一方、水産品、茶類など3分類800品目超の「高リスク産品」についての放射線検査証明は、日本政府や国際認証機関が認証する機関の証明書が必要だとした。放射線検査には費用も日数もかかるため、日本からの輸入に影響が出る可能性がある。

 また、いずれも日本側への事前説明がない一方的な発表で、輸入現場では当面混乱が生じる恐れがある。日本側は「科学的根拠に基づかない措置で、あくまで撤回を求めていく立場に変わりはない」(交流協会台北事務所)としている。

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