なにわ筋線で南海「5割超を負担」 JR西と330億円…総工費3300億円、関空20分の短縮

なにわ筋線の概要ルート、営業区間、総工費の内訳
なにわ筋線の概要ルート、営業区間、総工費の内訳

 JR大阪駅北側の北梅田駅(仮称)と難波、関西国際空港を結ぶ鉄道新線「なにわ筋線」(7・4キロ)について、共同運行する南海電気鉄道とJR西日本が負担する330億円のうち、南海が5割超を負担する意向であることが25日、分かった。途中の西本町駅(仮称)で分岐後の路線距離が1駅分長いことが理由といい、年明け以降に協議を始める。

 なにわ筋線は平成43(2031)年春開業予定で、大阪・梅田-関空のアクセスが約1時間から、約40分に短縮される見込み。南海電鉄は、なにわ筋線によって新大阪駅まで乗り入れ、西本町駅で分岐して新難波駅(仮称)を通り新今宮駅に接続、JR西はJR難波駅に接続する計画だ。

 総工費3300億円。線路などは、路線を整備する第三セクター「関西高速鉄道」が保有し、鉄道事業者が利用料を支払って運行する上下分離方式をとる。関西高速鉄道には、大阪府と大阪市が計1割、鉄道2社も計1割出資することで合意。残りは、国と大阪府・市の補助金計1620億円を見込んでおり、不足分の1020億円は関西高速鉄道が借り入れ、鉄道事業者の線路利用料から40年で償還する計画だ。

 今後、大阪府・市や両社が路線ルートと工事費を詰め、30年夏頃までに出資額を決定し、31年度の国の予算計上をめざす。

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