大阪市と米サンフランシスコ市の姉妹都市提携60周年を記念し、サ市代表団が23日、大阪市役所に吉村洋文市長を表敬訪問した。サ市内の私有地に設置された慰安婦像と碑文の今後の扱いをめぐり、吉村市長が姉妹都市関係解消の可能性に言及する中、代表団のキャスリーン・キムラ姉妹都市協会共同委員長は「末永い友好関係の継続」を求めた。
慰安婦像と碑文は中国人系の民間団体が9月に設置し、土地ごとサ市に寄贈すると申し出ている。仮にサ市が寄贈を受ければ、慰安婦像と碑文が「市有地」に設置されることになる。
この日、吉村市長はキムラ氏に「日本人として受け入れられない」と伝え、サ市のエドウィン・M・リー市長宛てに書いた懸念を表明する2度目の書簡を代表団に託したいと要望した。
碑文は、慰安婦を「性奴隷」と表記。「ほとんどが戦時中のとらわれの身のまま亡くなった」などと日本政府の見解と異なる主張が一方的に書かれている。
リー市長は吉村市長の1度目の書簡への返信で「地域に応えるのが私の責務」と寄贈を受ける可能性を否定せず、姉妹都市は「政府の干渉を排除した人と人の交流だ」と強調。姉妹都市関係の継続を訴えている。