堺市堺区の大衆食堂「銀シャリ屋 ゲコ亭」で50年あまりにわたり極上の銀シャリを炊き続け、「飯炊き仙人」と呼ばれた前店主の村嶋孟(つとむ)さん(85)が、12日に中国・北京のホテルで、卓越した技術を披露し、関係者約100人に試食してもらうことになった。「爆買い」のため大阪にやってきた中国人観光客らのブログで村嶋さんの存在を知った中国政府が技術にほれ込み、招待した。村嶋さんは「やれるだけやってみる」とかくしゃくとした様子で意気込みをみせた。(張英壽)
日本の“銀シャリ技術”を高評価
市によると、日本を訪れた中国人観光客らが村嶋さんの銀シャリを食べて感動し、ブログなどに紹介。中国商務部の関係者の目に留まり、輸出などで同部とつながりがある「協同組合関西ファッション連合」(大阪市中央区)から、市に打診があった。市が村嶋さんに参加を要請したところ、「二つ返事」で了承したという。
中国国内では、日本の炊飯技術の評価が高く、爆買いでも日本の炊飯器が人気を集めている。市広報部の担当者は「中国政府が村嶋さんの技術を高く評価したためではないか」と話す。
村嶋さんは昭和39年に店を始めたといい、マスコミでもたびたび紹介。いつしか「飯炊き仙人」と呼ばれるようになった。3年前に別の会社がのれんを引き継いだが、その後も「飯炊き」の指導を続けている。