関西の議論

えっ、パンツは白色!? 祇園祭「山鉾巡行」の意外な裏側 曳き手ボランティア体験

【関西の議論】えっ、パンツは白色!? 祇園祭「山鉾巡行」の意外な裏側 曳き手ボランティア体験
【関西の議論】えっ、パンツは白色!? 祇園祭「山鉾巡行」の意外な裏側 曳き手ボランティア体験
その他の写真を見る (1/5枚)

 台風11号による激しい風雨の中、今月17日に京都・祇園祭前祭(さきまつり)の山鉾巡行が行われた。これまで記録が残る限り、天候を理由に中止になったことは一度もないという。そんな伝統を誇る山鉾巡行のしんがりを務める「船鉾」の曳(ひ)き手ボランティアとして、記者も初めて参加した。「パンツは白色に限る」といった意外な指定もさることながら、山鉾の曳き手が近年、人員確保が難しくなり、ボランティアに委ねられている実態が浮かんだ。ボランティアの数は年々膨らみ、今年は33基中19基の曳き手を担うまでになっているのだ。(永山準)

「小雨決行、大雨強行」

 日本三大祭のひとつ、祇園祭。歴史は古く、平安時代初期の貞観11(869)年に疫病が流行した際、疫病退散を祈願した「祇園御霊会(ごりょうえ)」が起源とされる。

 八坂神社の神輿(みこし)が渡御する神幸祭(17日)と還幸祭(24日)に合わせ、町内を清める行事として、各山鉾町が前祭に23基、後祭(あとまつり)に10基の山鉾で巡行を行う。

 巡行は「小雨決行、大雨強行」。直近で中止になったのは阪急京都線の大宮-河原町間の地下の延伸工事が行われた昭和37(1962)年。ちなみに応仁の乱や第二次世界大戦でも取りやめになったことがある。

 今年は台風11号接近で、祇園祭山鉾連合会は決行か否か頭を悩ませたが、基本方針に沿って「例年通り」の決行を決めた。

「茶髪」は禁止

 「できれば雨は勘弁してほしい」。記者は前日から天気予報とにらめっこしていた。取材を心配していたのではない。募集された曳き手ボランティアに応募、当選していたからだ。

 曳き手はかつて、各山鉾町が京都府内の村や青年会と労働契約を結び雇っていたという。しかし地方の人手不足が深刻化。大学生アルバイトらに依頼することも増えたが、試験が巡行の日程と重なるなど、次第に人員確保が難しくなった。

会員限定記事

会員サービス詳細