スポーツ岡目八目

カメラ窃盗の「えん罪会見」で思い出した…大阪の社長が経験した韓国警察のズサン捜査

 韓国・仁川で行われたアジア大会でカメラを盗んだとされ、選手登録停止処分を受けた競泳の冨田尚弥選手(25)の弁明会見が6日、行われた。

 カメラは40代の見知らぬ男によってカバンに入れられたというのが大まかな主張。だが、ゴミだと思ったというカメラを自分の部屋まで持って行き、自分のトランクの中に置いていた点や、冨田選手がカメラをカバンに入れているという監視カメラの映像をJOC関係者が確認したという証言など不利な状況証拠は多く、それに対する冨田選手側の反証はことごとく頼りない感じ。韓国で再捜査を希望するというが、大丈夫かいなというのが率直な印象だ。

 実は冨田選手、会見前にも一部報道機関に対し身の潔白を主張していて、その記事を読んだ時点では「ひょっとするとえん罪かも」という考えが浮かんだ。昨年韓国の捜査当局によって詐欺の濡れ衣を着せられたという、大阪の会社社長の話を思い出したからだ。構図が似ていたし、こんなズサンな手続きで罪を問うのかと韓国の捜査当局にあ然としたのを覚えている。今回は標題の「スポーツ」から離れるが、この会社社長のケースを紹介する。

知らぬ間に指名手配

 一昨年12月、妻とのツアー旅行で韓国・釜山を訪れた大阪市内で貿易代理業を経営する男性(66)が釜山国際空港の入国管理局で突然警察官に拘束され、緊急逮捕された。容疑は詐欺。知らぬ間に国際指名手配されていたという。訳が分からぬまま現地警察へ連行され、独房に入れられた。

 翌日、ソウル地方警察庁の警察官がやってきて取り調べが始まった。警察官の説明によるとその2カ月前、ソウル市内の地下鉄駅で誰かが落とした財布をこの男性がだまし取った疑いがあるという。

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