アフリカでナンパされ…異色の女性研究者(1)

行商してみたら「貧しい中国人だ!」と言われ(苦笑)…研究はゲンバで起きている 立命館大准教授、小川さやかさん

 経済成長が続き、注目市場に位置付けられるアフリカ。急速に都市化が進む一方で、グローバル化とは一線を画す独自の経済活動が脈々と息づく。立命館大先端総合学術研究科准教授、小川さやかさん(36)はタンザニアに単身飛び込み、計3年半にわたり古着の行商人を経験。現地の生活を支える「路上経済学」を身をもって学んだ異色の研究者だ。土ぼこりの中で見聞きした等身大のアフリカはどんなものだったかを聞いた。 (聞き手 内山智彦)

 --なぜタンザニアに

 小川 文化人類学をやりたくて入った京都大大学院のアジア・アフリカ地域研究研究科は、ある程度の座学を終えたら、いきなりフィールドワーク(臨地研究)に出されるのが伝統です。アフリカの都市経済に興味があったので、アフリカを考えました。タンザニアを選んだのは、たまたま指導教官の研究テーマだったから。それだけで決めました。

 --行商がテーマだったのですか

 小川 最初は、公的な職能訓練機関が少ないアフリカで発達した徒弟制度に興味があったので、大工や家具職人の親方にお願いして弟子入りしようとしました。現場に入り込み、自分も当事者になることが目的でしたので。ただ、快く受けてくれたのですが、仕事はさせてくれない。当時20代前半でしたが「こんな小さな女の子に任せられるか」と。これではだめだと思っていたところ、職場に出入りする行商人に興味を持ちました。

 --それで転職を

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