「『最後の審判』の日が到来するという預言をもはや軽視することはできなくなった」
ローマ法王フランシスコ(78)が18日に発表した地球温暖化の進行に警鐘を鳴らす教えが、世界に波紋を広げている。本来はカトリック教徒に向けて説く教えの中で環境問題に触れるのは異例といい、「この惑星に住むすべての人」に対し、生活スタイルを変える「文化革命」を求めた。12月にパリで開かれる国連気候変動枠組み条約の第21回締約国会議(COP21)を念頭に置き、温暖化対策に消極的な米国の保守派を批判するなど政治問題にも踏み込み、国際社会に早急な対応を迫った。
「地球、ごみの山のよう」
「私たちの故郷である地球はますます巨大なごみの山のような様相を呈し始めている」
率直な法王の言葉に世界の多くの人々が衝撃を受けた。米CNNテレビ(電子版)など欧米メディアによると、法王はカトリック教徒に向けて教えを説く「回勅(かいちょく)」と呼ばれる公文書を発表した。184ページに及ぶ文書は(1)汚れた大気(2)汚染水(3)工業煤煙(4)海面上昇と異常気象-など全6章で構成。法王庁が科学など幅広い文献を参考に1年がかりでまとめた。