安倍晋三首相の平昌五輪開会式出席、リスクを取ったぎりぎりの決断 「慰安婦の日韓合意を終わったことにさせない」

 また、五輪開会式の前には、やはり式に出席する米国のペンス副大統領の来日が予定される。この際にも安倍首相は会談や夕食会などを通じ、日韓合意の経緯や日本の立場をじっくり説明する考えだ。緊密な日米関係を背景に、ペンス氏と歩調を合わせ、文氏に合意履行を迫ることになろう。

 「実は、米ホワイトハウスからも、安倍首相に開会式に出てほしいという強い要請があった」

 政府高官はこう明かす。韓国に対し、行き過ぎた対北朝鮮融和政策に走らないようクギを刺したい米国が、パートナーとして安倍首相を指名した形だ。そしてそれは、最大限に対北圧力を高めたい日本政府の思惑とも一致する。

 五輪開会式に出席する各国の首脳は、ごく限られている。その中で、日米の首脳がそろって日韓合意の履行と北朝鮮への圧力堅持を要求すれば、韓国に対する強いメッセージとなる。

 ただ、事がうまく運ばない場合は訪韓は韓国にこびた姿勢と受け取られ、厳しい批判を浴びかねない。行くにしろ行かないにしろ、ぎりぎりの決断だったのだろう。

(阿比留瑠比)

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