日独首脳会談

安倍首相、財政出動求めるもメルケル氏と折り合わず 伊勢志摩サミットで引き続き議論

 【ベルリン=峯匡孝】ドイツ訪問中の安倍晋三首相は4日午後(日本時間5日未明)、ベルリン郊外の迎賓館メーゼベルク城でメルケル首相と会談した。安倍首相は減速懸念が強まる世界経済を下支えするため、26、27両日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で機動的な財政出動を辞さないメッセージを出すことに協力を呼びかけたが、財政規律を重視するメルケル氏と折り合わず、サミットで引き続き議論することを確認した。

 安倍首相は会談で「世界経済は大きなリスクを抱えている。しかも予見しがたい。いまこそG7(先進7カ国)には構造改革の加速化にあわせて機動的な財政出動が求められており、サミットでG7として一段と強い明確なメッセージを発出したい」と求めた。これに対しメルケル氏は「世界経済の成長はまだまだだ。特に新興国の経済が弱い状況にある。これらの国で構造改革を行うことが重要だ」と指摘。その上で「財政出動は私は決してフロントランナーではないが、構造改革、金融政策、財政出動の3つを一緒にやっていかなくてはならない。財政出動だけではなく、民間投資で引っ張ることも重要だ」と応じた。

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