著者はマジメに書いているものの、第三者が見ると奇妙に感じる本を「珍書」と呼ぶ。そんな珍書の中から、本の目利きたちがそれぞれイチ押しの1冊を選び、その魅力をゲーム形式で紹介し合う書評合戦「珍書ビブリオバトル」が7日、東京都内で開かれた。
『ベスト珍書』(中公新書ラクレ)を昨年刊行した編集者のハマザキカクさんら8人が登壇。北海道土産の定番「木彫り熊」を扱った研究書『北海道 木彫り熊の考察』(山里稔著、かりん舎)など、計9冊が紹介された。
来場者の投票でチャンプ本に選ばれたのは、東京・神保町で古書店を経営するライターのとみさわ昭仁さんが選んだ『よーいドン! スターター30年』(佐々木吉蔵著、報知新聞社、昭和41年刊)。陸上競技のスタートで、ピストルを鳴らす一瞬の動作を長大に描写した一節を朗読し「すごくいい文章で、官能小説みたい」と表現。来場者の笑いを誘った。