乳児のアトピー予防には保湿剤有効 世界で初の発見

 乳児の全身に保湿剤を塗るとアトピー性皮膚炎の発症を抑える効果があるとの研究結果を、国立成育医療研究センターのグループが1日、米国の専門誌に発表した。乳児期のアトピーは食物アレルギーなど他のアレルギー発症の誘因と考えられており、研究グループの大矢幸弘医長は「他のアレルギー疾患の発症予防につながるか、研究を進めたい」としている。

 研究の対象は、親や兄弟がアトピー性皮膚炎を発症したことがあるアトピーの発症リスクが高い乳児118人。生後1週間以内に、半数の乳児には市販されている保湿剤を1日1回以上全身に塗り、半数には塗らなかった。その結果、生後32週(約8カ月)の時点で、保湿剤を塗った乳児は塗らなかった乳児よりアトピーを発症する割合が約3割低かった。

 アトピー性皮膚炎の予防法としては、妊娠、授乳中に母親が食物制限する方法などが研究されているが、予防効果は明らかになっていない。

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