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2007年12月29日 [長年日記]

_ Thinkpad X61

届いた。来年になると思っていたので、予想外の喜び。 が、それはインストールの苦しみでもある。

巨大な箱が二箱、ラップで包んでつながっている。 二つめの箱にはメモリの小箱と拡張保証の紙が入っているだけ。 なんて過剰包装。

もう一つのほうは本体。 X31は梱包材を含めて全体が段ボールで感心したが、 X61はウレタンフォームらしき材質の梱包材が使われていた。

取り出す。

  • IBMマークがなくなっている
  • 全体にX31より小さく、軽い
  • キー配列がちょっと違う。Windowsキーとか右ALTの代わりにメニューキー(ってなに?)とか。
  • 画面が小さい気がするが、これはここのところ外部ディスプレイ(15インチ)を使ってたせいだろう。慣れって恐いわ。

電源を入れる。無事起動し、Vista (BASIC)のEULA画面が出てきた時点で電源オフ。 EULAには合意しない

で、会社から借りてきたDebian SargeのインストールCDで インストール開始。

先日のHDD破損で再インストールした時の記憶が フレッシュなので、さほど問題なし。引っかかったのは、 CD-ROM単体からのインストールはうまくいかず、 ネットからのミラーを使わなければインストールできなかった点。 手を抜かず、最初のネットワーク初期化をきちんとすること。

実はこの点でかなりひっかかったが、 分かってしまえばそんなに難しくない。

で、無事起動。問題なし。

さて、実用のためにはもうちょっといろいろと手を入れなければならない。

まず、最初に前のPCからデータを持ってこなければならない。 X31からディスクを外し(この点Thinkpadは楽勝だ)、ケースにつないで USBディスクとし、ホームディレクトリといくつかのデータをコピー。 これが結構時間がかかる。X61はHDDがSATAなので、 USBディスクは/dev/sdbになる。

それと平行して、/etc/apt/sourcesを書き換え、 sidにアップグレード。これまた結構時間がかかる。 xorgまわりで矛盾が発生するが、 update-managerのsmart updateを使うと魔法のように解決してくれる。

あと、解決すべき問題は

  • ビデオ
  • 無線LAN
  • 電源

である。

音についてであるが、X61のサウンドカードはIntel 82801H HD audio controllerであり、 Debian sidであればALSAのバージョンが新しいのでなんの問題もなかった。

ビデオも(当面は)問題なし。Driverは"intel"を選択。

無線LANはlinux-image-2.6.23にはiwl4965ドライバーが添付されているが、 ファームウェア(firmware-iwlwifiパッケージ)をインストールしても カードを認識してくれない。

そこでndiswrapperを使うことにする。 ndiswrapper-sourceとndiswrapper-utilsパッケージをインストール。 module-assistでndiswrapperをコンパイル、インストール。

% cd /usr/src
% m-a prepare
% m-a a-i ndiswrapper

次に、ドライバファイルをダウンロード。どこから入手してもよいが、 IBMかインテルからダウンロードするといい。

まず、サポートカードのリストを見ると、 X61やIntel Wireless WiFi Link 4965AGNは載っていない。 が、IBMのドライバダウンロードページあたりから当たりをつけて、 ドライバファイルをダウンロードする。

わたしがダウンロードしたのは7kwc27ww.exeというファイルだったが、 今、探したら7rwc09ww.exeというファイルしか見つからなかった。 こっちでインストールできるかどうかは不明(ごめんね)。

Vista用ではなく、XP/Windows2000用をダウンロードすること。 これは自己解凍ファイルだが、wine-safeで解凍できる。

たくさんドライバが入っているが必要なのは NETw4x32.INFというファイル。

このディレクトリで

% ndiswrapper -i NETw4x32.INF

とするとドライバのインストールは完了。 ESSIDの設定に手間取ったが、とりあえず無事接続完了。 ただし、

# iwlist ap

でアクセスポイントを見つけてくれない。scanはできるのであまり困らないけど。

最後は電源。ポイントはクロックのコントロールが出来るかどうかと サスペンド/リジュームができるか、という点。

さんざん試行錯誤したが、 結論からいうと完全ではないものの、動作はした。

まず、クロックのコントロールだが、いろいろと試行錯誤の結果、 結局はpowersavedパッケージのインストールだけで うまく動いた。X61のCPUはCore2 Duo T7500 (2.2GHz)だが、 クロックは両方同時に変わるのね。まあ、当然か。

次はサスペンド・リジューム。 まずはuswsuspとhibernateをインストールする。

これでハイバネーションは出来るようになる。 が、サスペンドはできない。どうもs2ramがX61を知らないみたい。

% s2ram
Machine is unknown.
This machine can be identified by:
    sys_vendor   = "LENOVO"
    sys_product  = "7675A31"
    sys_version  = "Thikpad X61"
    bios_version = "7NET29WW (1.10 )"
See http://suspend.sf.net/s2ram-support.html for details.

If you report a problem, please include the complete output above.

強制的にs2ramを実行するとs3_mode,s3_biosでは(ある程度)正しく動作するようだ。

% s2ram -f -a 3

たまにリジュームしないという問題があるんだけど(ダメじゃん)。 おおむねうまく動いているみたい。

これは将来のバージョンで対応すると思われるのだけど、 当面これをどうするか。要するにホワイトリストにX61が載ってないのがいけないので、 これをなんとかすればいい。残念ながらホワイトリストは s2ramに組み込みで、ファイルとかになってないみたい(なってたら楽だったのに)、 ソースを調べると「Thinkpad X61」にマッチするルールはあるようだったので、 バイナリエディタ(わたしはEmacsを使ったけど)で、むりやり「X60」を「X61」に 書き換え。

あと、/etc/hibernate以下の設定ファイルをいくつかいじって(もう忘れたけど、 今となってはあまり変更する必要はなかったと思う)、 gnome-power-managerを導入すれば、完了。

あとは外部ディスプレイへの出力ができてないんだけど、 ここで時間切れ。くたびれた。


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