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Matzにっき

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2. [OSS] オープンソースソフトウエアがビジネスの成長を加速
3. Passion For The Future: なぜ株式投資はもうからないのか
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2. [言語] 3rd Workshop on Dynamic Languages and Applications - Dyla 2007
3. [言語] When lisp is faster than C
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7. himazu blog - 1週間に4時間しか働かない人の仕事術
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11 1. DRMで激化するメーカーとハッカーの攻防戦 - CNET Japan
2. [言語] ppkfなんてのを作ってみました | SiteBites Blog
12 1. [OOP] Why OO Sucks
2. [Ruby] Java News Brief - April 2007: JRuby
3. [Ruby] Compute Node Ruby for Bluegene/L
13 1. 出でよ,猛々しいプログラマ!:ITpro
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3. [言語] The Mechanical Bride: Haskell for C# 3 Programmers
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4. [言語] What Programming Languages Should You Know?
15 1. [教会] 松江
16 1. [言語] James Clark's Random Thoughts: XML and JSON
2. [言語] Kamen Lisp
3. [Ruby] Ola Bini on Java, Lisp, Ruby and AI: ThoughtWorks
4. [言語] 言語の歴史(Lisp, C)
5. [Ruby] 「Google恐れるに足らず、パートナーと協業し日本独自のSaaSを」、アスタリクス社長に聞く:ITpro
6. [Ruby] Scaling to multiple databases with Rails (Loud Thinking)
7. デイトレーダー型新入社員を見くびるな (ニュースを斬る):NBonline(日経ビジネス オンライン)
8. 長男誕生日
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4. [言語] The Next Big Language
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19 1. [言語] lisp-1 and lisp-2
2. [言語] The shortcomings of scripting | InfoWorld | By Andrew Binstock
3. [Ruby] Ruby: let's get an AST - fAST
4. [Ruby] Twitter, Rails, Hammers, and 11,000 Nails per Second − Thought Palace
5. [Ruby] Why was Rails only possible with Ruby? - O'Reilly Ruby
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20 1. Win-Win関係を築くことについて
2. [Ruby] 「Ruby開発者との交流も魅力」,松江市が「8年間家賃半額」でIT企業を誘致:ITpro
3. [言語] How Common Lisp sucks - comp.lang.lisp | Google Groups
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21 1. [Ruby] 島根大学が「オープンソースと地域振興」を開講,Rubyのまつもと氏も登壇しテキストも公開:ITpro
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4. [Ruby] BlogFranz: Ruby, Python, and an XML-RPC Server Arbitrary Shell Command Execution Flaw
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3. [言語] (The Scheme Way): An introduction to Termite
4. [言語] The Whole Enchilada: A Programming Language
5. [言語] Amit's Thoughts: Lisp vs. Python: Syntax
6. [言語] Python up, Ruby down: If that runtime don't work, then its bound to drizzown
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2007年04月16日 [長年日記]

_ [言語] James Clark's Random Thoughts: XML and JSON

James Clark、JSONについて語る。

ネームスペースがない、という指摘はわかるようなわからないような。 確かに表現すべきデータ構造が複雑になった時に ネームスペースのようなものがほしいことは、もしかしたらあるのかもしれないけど、 ほとんどの場合には「配列、マップ(オブジェクト)、文字列、数値」で 表現可能なのではないだろうか。

それを越える場合には、確かにJSONではカバーしきれないだろうが、 ごくまれな特殊なケースのために巨大な道具を持ち込むのは間違っている、と思う。 もともとXMLも、巨大すぎるSGMLや一貫性のないHTMLへの対案として誕生したはずなのに、 今や(well-formedな一貫性は維持されてると思うけど)、 揶揄の対象になるくらい巨大になってしまったような気がする。

JSONについては、外から受け取ったデータを 安易にevalに渡してしまうようなケースの方が心配。

_ [言語] Kamen Lisp

クライアントサイドで動作するLisp、らしい。

というか、ラムダをバックにした仮面ライダーストロンガーの印象が 強烈すぎて、他のことがふっとびそう。

_ [Ruby] Ola Bini on Java, Lisp, Ruby and AI: ThoughtWorks

あまり目立たないがJRubyの立役者であるOla Biniが大学から ThoughtWorks(Martin Fowlerがいるところ)に移って、 フルタイムのJRuby開発者になる、という話。

すげー。

っていうか、 本家Ruby開発者は(私以外は)なかなかフルタイムという話はないのにな。 笹田くんは結構近いけど。 それを思うとやっぱJavaの威光はすごいな。

_ [言語] 言語の歴史(Lisp, C)

_ [Ruby] 「Google恐れるに足らず、パートナーと協業し日本独自のSaaSを」、アスタリクス社長に聞く:ITpro

アスタリクスの中島社長のインタビュー。

「Google恐れるに足らず」というのは強気な発言であるが、 日本ベースであるがゆえにGoogleにはできないことはあるだろう。 エンタープライズRubyの先駆けとしてぜひ成功していただきたい。

NaClも応援している。実際に一部開発してるし。

_ [Ruby] Scaling to multiple databases with Rails (Loud Thinking)

「Twitterの中の人」Alex Payneがインタビュー

ぼくたちは世界最大のRailsユーザーだと思うけど(毎秒11,000リクエスト受けたことがある)、Railsはスケーラビリティが課題だよね。Railsは同時に複数のDBと話すことができないし(超訳)

と、発言したのに対して、DHHが

RubyもRailsもオープンソースだし、簡単に手を入れられるんだから 誰かが自分の問題を解決してくれないか、口をあけて待ってるんじゃなくて 自分で解決して世界に貢献したらいいのに

発言

それを受けて、解決手段であるMagic Multi-ConnectionsNic Williamsがリリースという流れ。

どこに突っ込めばよいのかわからない、この流れ。

DHHの挑発的な応答もさることながら、 それに対してわずか75行のプラグインで対応できてしまうNic Williamsのセンスや そもそもそれを可能にしたRailsというアーキテクチャ、 またその背後にあるRubyのパワーなど、考えるべきことはいろいろある。

_ デイトレーダー型新入社員を見くびるな (ニュースを斬る):NBonline(日経ビジネス オンライン)

「我慢して頑張る」を嫌う「新人類」型新入社員について。

かくいう私の世代は世に言う「新人類」という言葉で最初に形容された世代になるのだが、 この「我慢して頑張る」を嫌う感覚はよく分かる。 会社が一方的に押しつける都合を嫌い、「頑張る」必然性を見いださない。

っていうか、会社と従業員との関係は常にWin-Winであることを目指すべきで、 従業員が一方的に我慢する構造というのは間違っている。 この業界、徹夜しても仕事を完遂する「すばらしい」人は多いのだが、 そのすばらしい働きは、ほとんどの場合、さほど評価されない。 私にはその「報われない」責任感がよくわからない。なんで我慢できるんだろう。

あなたが(自らの身を削ってまで完遂する)すばらしい火消しでも、 たぶん、あなたは出世しない。あなたのキャリアはいつもトラブルの渦中にあるのだから。 経営者からは、あなたはトラブルとワンセットでしか見られない。

プロジェクトが火を噴いているのは、たぶん、あなたのせいではない。 でも、責任をとって徹夜するのはあなただ。 「遅れてすみません」と頭を下げるのはあなただ。

でも、会社はたぶんあなたに報いてくれない。 責任者はあなたに感謝はするだろうけど、それ以上ではない。

それでもなぜ頑張るのか。 一度や二度の突発的な事態なら仕方がないかもしれない。 でも、これが恒常的になるなら、あなたは転職を考えた方がよい、と思う。

「我慢して」も「頑張っても」、将来報われるなんてことは期待できないと思う。 今三十代より下の人にとっては「将来のおいしいパイ」なんてのは、 上の世代がぜんぶ食い散らかした後だ。

「怠けてもよい」とは言わないが、楽しんで仕事すること、充実した仕事をすること、 そして、会社とWin-Winの関係を築くことを、もうちょっと真剣に考えてもよいと思う。

_ 長男誕生日

長男、誕生日。10歳。ケーキを食べる。


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