KDDIは17日、ロシア最大の長距離通信事業者Rostelecom(ロステレコム)と共同で、日本~欧州間では最短ルートとなる10Gbps波長サービスを提供すると発表した。31日より提供を開始する。 本サービスは、日本~ロシア間を結ぶ光海底ケーブルネットワーク「RJCN」(Russia-Japan Cable Network)とロシア国内を経由して欧州へ至るロステレコムの大陸横断ケーブルネットワーク「TEA」「TEA2」(Transit-Europe-Asia)を利用し、日欧間を最短ルートで結んだものとなる。 波長レベルでの提供により、大容量コンテンツやリアルタイムでの双方向通信を低遅延かつ安価に利用できる見込みだ。RJCN~TEA経由ルートの日欧間伝送遅延値は、インド洋経由ルートと比較して70~100msec、米国・大西洋経由ルートと比較して45~60msecの短縮を実現しているという。 KDDIは、ロステレコムの協力により、RJCN~TEAを経由する東京~ロンドン間(総延長約1万km)の専用線サービスにおいて、100%の稼働率を維持している。主に金融機関や欧州・アフリカなどで開催される各種イベントでの映像伝送など、厳しいネットワーク品質が求められる用途で利用されている。また、RJCNは日本海を経由するため、東日本大震災でも影響を受けることなく欧米向けの基幹ネットワークとして稼働した実績を持っている。