モバイル向けの新クラウド、BaaS(Backend as a Service)とは何か。「Parse」が正式サービス開始
iPhoneやAndoroidのようなモバイルデバイスはPC以上に普及し、クラウドに接続するデバイスとしてもっとも一般的なものになると予想されています。これからのクラウドアプリケーションの主役はモバイルデバイスの上で動くものになるというわけです。
そのモバイルアプリケーションに特化したクラウドの形態として「BaaS」(Backend as a Service)と呼ばれるサービスが登場してきています。
BaaSとは一般に、モバイルアプリケーションのバックエンドとして求められるデータストア機能、プッシュ通信機能、ユーザー管理機能、ソーシャルとの連係、ロケーションとの連係などを備え、それらの機能をモバイルアプリケーションからAPIで呼び出すことで、サーバ側のコードを書くことなく、クラウドと連動するモバイルアプリケーションを効率よく開発できる環境を提供するものです。
BaaSで知られていたCocoafishは先月2月に、Titanium Mobileを提供するAppceleratorが買収して話題になっていました。
そのBaaSの1つ、「Parse」がパブリックベータを終了し、正式サービス開始を発表しました。
続々と登場するBaaS
Parseも一般的なBaaSの1つとして、データストア、プッシュ通信、ユーザー管理、TwitterやFacebookなどソーシャルとの連係、位置サービスとの連携機能などを提供します。iOS用とAndroid用のSDKを提供するほか、REST APIも提供。
料金プランは、月間で100万回以内のAPI呼び出し、1GB以内のファイルストレージなどであれば無料、1500万回以内で10GB以内のファイルストレージであれば月間199ドルとなっています。
BaaSにはほかにも「StackMob」「Kinvey」「Buddy」 「CloudMine」などがあり、また日本の国内ベンダからもOAuthとJSONデータ入出力の2機能を備えBaaSを指向した「appiaries(アピアリーズ)」が先週公開されました。
これらサービスの多くはまだβ版の状態ですが、Parseが正式サービスを開始したように、今後数カ月で続々と正式サービスへと移行し、その上で多くのモバイルアプリケーションが開発されることになるはずです。
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