五臓六腑にしみわたる! おだしの老舗が手がける京都のおでん屋へ。

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    人気の大根、飛龍頭、タコ。たっぷりの九条ネギは契約農家から、辛子は福井県の無添加のもの。器は浅井庸介さん、辻村塊さん、村田匠也、PONTEの佐藤聡さんと、京都の“いま”を代表する作家のものが揃う。

    鹿児島のかつお節、北海道・利尻島の昆布、大分の椎茸など、顔の見える生産者から直接調達した厳選素材を使用。添加物をいっさい使用しない“ほんものの”を追求する、おだしの老舗「うね乃」が、9月9日、おでんのお店「麸屋町うね乃」をオープン。うどんを供する人気店「仁王門うね乃」続く2店舗目の誕生です。

    「もともとこの複合ビルが好きだったんです。知らない人が入ってこない特別感があって。似た雰囲気の物件を探し始めたら、たまたまこのビルに空いている物件があって、トントン拍子ですべてが決まっていきました」。そう語るのはオーナー夫人の釆野佳子さん。確かに、知らなければ入らないようなビルの奥の奥。扉を開けて、そのまた奥に広がるのは、すっきりとモダンな和の空間。閉店したおでん屋さんから譲り受けたという30年ものの有次の鍋がピカピカに磨かれ、カウンター内に鎮座します。

    「家庭のおでんや料亭のおでんなどいろいろなおでんがありますが、うちはおだしの専門店なので、いつでも同じおだしの味を目指したい。ここを発信地として、おだしをもっと身近に楽しんでもらえれば」。これはオーナー釆野元英さんの言葉。そのため、このお店の最大の特徴は、仕込み用にはパンチの効いたおだしを使い、盛り付けて出すときにはやさしい風味のおだしをかけるという二段仕込み。澄み切ったおだしの味わいが、細胞のひとつひとつにしみわたるようです。

    素材は、京都近郊から厳選したものが中心。自家製飛龍頭(ひろうす)は、細切り昆布や旬の食材を使った季節替わり。熟成肉で有名な「京都 中勢以」の希少部位は、表面は香ばしく、中はジューシーに焼き上げて、おだしをさっとかけて。ほかにも、北区にあるデリカテッセン「かわきた屋」のソーセージ、出し巻き卵といった変わりダネも。締めには「麺」や「飯」がお薦め。どちらも新しいおだしの楽しみ方に開眼するはずです。

    料理を手がけるのは、イタリアンで腕を磨いてきた山元敏彦シェフ。「オーソドックスな味をしっかり楽しんでいただきながら、例えば、オリーブオイルを使ったり、飛龍頭にチーズを入れたりと、アレンジを加えていきたいですね」と意気込み満点。10月からは木曜・金曜限定のランチで、素材の旨味が溶け込んだおだしを使ったおでんカレーも登場しています。

    肌寒くなって、あたたかいものが恋しくなるこの季節。新しい京都の隠れ家へ、とびきり贅沢なおでんをいただきに出かけませんか?(写真:内藤貞保  文:小長谷奈都子)

    内装設計を手がけたのは、京都の人気建築家・木島徹さん。土壁と無垢の木が木島建築の特徴だが、今回初めてコンクリートの壁に挑戦したそう。シャープさのなかに、あたたかみを感じる仕上がり。

    レンガの台に据えられた有次の鍋。おいしいおだしをたっぷり含んだおでんダネがスタンバイ。四隅のちろりでは、日本酒の燗づけができる。日本酒は、おだしに合う純米酒や地酒を中心にラインナップ。

    イタリアン出身の山元シェフ。産地を訪れたり、本社の工場で研修したりして、おだしへの理解を深めたそう。

    おでんはアラカルトで一品¥300〜。コースは「とりあえず5種」¥3,500、「おまかせ7種」¥5,000。ほかに、「けずりたてオカカ」「鰹なまりの味噌漬け」などおだしの老舗ならではの、酒のアテも揃う。

    京都市役所からほど近い、複合ビルの一角。ビルの奥へ入って、右手にある白い扉に木の看板を目印に。

    麸屋町うね乃 Fuyacho Uneno

    京都市中京区麸屋町通押小路上ル尾張町225 第二ふや町ビル103
    TEL:075-213-8080
    営業時間:17時30分~23時(L.O.22時)、
    ※木曜・金曜のみ 11時30分~14時
    定休日:火曜
    カード可

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